わずか8席“水晶板焼肉”が話題も…焼肉店の倒産数は過去最多「格之進」社長が指摘
大阪・京橋駅近くに、話題の焼肉店がある。「立ち食い専門焼肉店 三坪」は、その名の通り、わずか8席だけの小さな店だ。 【映像】水晶板で焼く立ち食い焼肉(実際の映像) この店は大きさだけでなく、肉の焼き方も独特で、水晶プレートを用いて、「煙が出にくく、遠赤外線効果でふっくら焼ける。排煙ダクトを付けなくていいので、設備投資も抑えられる」と、店長の石井健太氏は語る。 店長のおすすめ商品を頼むと、ツラミ(280円)、ハラミ(300円)、ミスジ(480円)、そして、牛外ももの真ん中の肉であるセンボン(440円)が届いた。コンロに火を付け、中火で温める。 リポーターのわきたかしは、「肉を焼いてる感じじゃない。全然煙が上がってない。湯気ぐらいだ」と驚く。塩とワサビで食べると、「マイルドな感じで、ふっくら」した味わいだという。水晶板ならではの“裏メニュー”が、「TKG焼きめし」だ。卵かけご飯を焼く、新感覚の一品だ。 初めて「三坪」に来たという客は、「(1枚ずつ注文が可能なため)ちょっとずつ食べられるのがいい」と喜んでいた。 しかし、三坪のような人気店がある一方で、焼肉業界は史上最多の倒産を記録した。その背景を「門崎熟成肉 格之進」千葉祐士社長は、「焼肉は簡単で、肉切って出せばいい。だからこそ奥が深い」と説明する。 素材や、それに合わせた提供方法が影響するとして、「どこでどんな人に食べてもらうのかで、料理や値段、サービスが最適になるのが重要。『やりたいこと』では、新たな文化をつくるくらいでない限り、人気店にならない。どんな肉を使うのか、保管やカット方法、焼き台などを、どこまで深く考えるかが重要だ」と解説した。 帝国データバンクの調査によると、焼肉店の倒産(負債1000万円以上の法的整理が対象)は、ここ十数年にわたって、毎年20件前後が中心だった。しかし2024年は、すでに1~9月の時点で39件と、過去最多を更新している。個人経営の小規模店を含めると、さらに多くが倒産しているとみられる。主な原因は輸入牛肉や野菜類など、食材価格の上昇にあるという。 (『ABEMA的ニュースショー』より)
ABEMA TIMES編集部