アマゾン「Kindle」2024年版レビュー:より明るく速く--Paperwhiteとの違いも確認
エントリーモデルの「Kindle」 電子書籍リーダーは画面が大きい方がいいという人が多いが、筆者はエントリーモデルのKindleのコンパクトなサイズ感がずっと気に入っている。2022年に300ppiのディスプレイが採用されて画面の解像度が上がり、内蔵ライトも追加されて以来、エントリーモデルのKindleは「Kindle Paperwhite」からいくつかの機能を省いた、いわば「Kindle Paperwhite mini」とも呼べる存在になっている。 【この記事の写真をすべて見る】 ただし、価格はPaperwhiteよりも大幅に安い。新しい2024年モデルのKindleは、ストレージ容量が16GBで110ドル(日本では税込み1万9980円)と、前モデルよりも10ドル(同7000円)高くなっている。新型モデルのアップグレードがかなり控えめであることを考えると、これは少し残念だ。それでも、依然としてお買い得であることに変わりはない。セールになった場合は、なおさらだ。 無印のKindle(2024年モデル)はKindleシリーズの中で最も小型で、最も軽量なモデルだ。重さはわずか158gで、300ppiの6インチE Inkディスプレイを搭載する。Paperwhite(2024年モデル)の方は、211gで、7インチのディスプレイだ。 新型Kindleのスペックは前世代のものと似ているが、ページめくりの速度がわずかに向上し、コントラスト比もわずかに高くなった。フロントライトの最大輝度も25%向上し、最も明るい設定にするとPaperwhiteと同等の明るさになる。また、2024年モデルでは、本体カラーに印象的な「マッチャ(抹茶)」が新たに登場した。 Kindle Paperwhite(2024年モデル)との違い 筆者は、新型のKindleと、それよりもアップグレードが若干多い新型のPaperwhiteを交互に使ってみた。前世代と同様、Paperwhiteは、その特長として、ディスプレイとベゼルがフラットになっており、また防水性能(IPX8等級)も備えている。無印のKindleは、防水性能等級を取得していない。 無印のKindleに比べると、Paperwhiteの方が明らかにサクサク動き、照明システムもこちらの方が優れていることがはっきりと分かる。前者がLEDを4つ搭載しているのに対し、後者は17個のLEDを搭載している。また、Paperwhiteと異なり、無印のKindleには、ライトの色温度を調整するオプションはない。どちらのモデルでもライトの最大輝度は同じだが、最大輝度にすると、無印の方はライトが青く見える。対照的に、Paperwhiteのライトは、ディスプレイをより自然で紙のような見た目にしている。 もう1つすぐに気づく違いとして、Paperwhiteはディスプレイのサイズが7インチと、Kindleより1インチ大きいだけにもかかわらず、画面の大きさがかなりある(大した違いには感じないが、その差は思っているよりも大きい)。両方のディスプレイでサイズ6のフォントサイズを使用してみたところ、Paperwhiteのディスプレイの方が4行~5行多くテキストを表示できた(フォントメニューには、ピンチしてズームするだけでアクセスできる。これは便利だ)。 バッテリーも、Paperwhiteが最大12週間持続し、無印の最大6週間と比べて2倍長持ちする。一方、Amazon初のカラーKindleである「Kindle Colorsoft」(280ドル、日本未発売)のバッテリー持続時間は公称で最大8週間だ。今回発売されたKindleの新型モデルは、いずれもUSB-C充電に対応しているが、PaperwhiteとColorsoftには「シグニチャーエディション」もあり、こちらはワイヤレス充電に対応している。 結論 ここまで読んで、エントリーモデルのKindleはPaperwhiteよりも劣っているという印象を受けた人もいるだろう。実際に、そのとおりだ。とはいえ、E Ink電子書籍リーダーは、液晶やAMOLEDといったディスプレイを搭載したスマートフォンやタブレットよりも性質的に動作がかなり遅く、世代間のアップグレードもかなり段階的なものになる傾向があるため、この2機種の違いはそれほど大きくない。確かに、無印のKindleには、いくつかの機能が欠けており、性能面でも一歩劣っているが、読書体験は根本的にそれほど変わらない。 結論を言うと、PaperwhiteはAmazonの中で最も優秀なモノクロの電子書籍リーダーだが、わずかに改良されたエントリーモデルのKindleも非常に魅力的だ。予算が限られており、かつ持ちやすい小型で軽量の電子書籍リーダーを重視する人には、特にお薦めできる。 この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。