「名門音大への合格者は事前に決まっている。それが音楽世界の常識」と噓をつき、間接的な金銭要求、ハラスメントと「やりたい放題」の「ヤバすぎるピアノ講師」の実態
入学は内内に決まる
加えて界隈の人によると、彼女が師事した何人かいるピアノの師匠いずれも「著名なピアノ講師、演奏家ばかり」なのだそうだ。 だからだろう。年若であるにもかかわらず、明らかに彼女よりも年長であろう中学生のレッスン生の父兄相手に、講師という専門家としての立場があるにせよ、厳しい言葉を吐くのもその是非はさておき話としてはわからなくははい。 とはいえ彼女が言う「音楽の世界ではどこの大学へ行くかは師匠が決める」という言葉はあまりにも強烈だ。令和の時代の今、どこか強い違和感を感じる。その思いをより強くするのが彼女の次の言葉である。 「あのね、もう小学校5年、6年生から県西であれば誰が入るか、内々ではもう決まってるんですよ(注4)」 この彼女の言葉にレッスン生の父親が反応する。すかさず父親が「音高や音大に入学前から、もう入学者が決まっているということですか?」との聞く。すると驚くべきことに彼女はこう応えている。 「決まってます。県西であれば中3の時点で。京芸なら高3の時点で、大阪教育大は高2の時点で、大学の先生からのレッスンを受けて、入学できるという確約を頂いて受験するんです。音楽世界の常識です――(注5)」 そして、さほど間を置かずこう言葉を継ぐ。 「大教大では、高校2年生のときに、大学(大阪教育大)の先生から確約を得ることになっています。恐らく、公務員というお立場もおありだからでしょうね……(注6)」 (注4) 兵庫県立西宮高校のOB・OG他、関係者らの声を総合すると、「そうしたことは考えられない」とのこと。 (注5) 国立大学法人大阪教育大学では、今回の取材に応える形で入学試験に関わる教員に聞き取り調査を行い、このような事実がないことを確認したと広報室が回答。詳細は本稿7頁目以降。京都市立芸術大学では関係者が、こうした事実を否定した。 (注6)注5で述べたように、国立大学法人大阪教育大学では、今回、取材を受けるなかで、「正確を期すため」学内調査を行った上で本サイトに回答を寄せてきた。その内容は、概ね、 (1)学内の制度上、こうしたことはできない (2)このようなことに関わっている教員(非常勤講師を含む)はいない の2点に集約される。 詳細は、本稿7頁目以降に掲載。