ウクライナの戦場で活躍するロボット犬…韓国内外の防衛産業界で注目
【08月27日 KOREA WAVE】四足歩行ロボットが防衛産業界で注目を集めている。ウクライナで実戦に投入され、韓国内でも対テロ作戦のためにロボットが試験的に配置された。 四足歩行ロボットとは、犬のように四本足で歩行するロボットを指す。人間の速度で歩行したり、階段を上り下りしたりすることができる。アクセスが難しい険しい地形を突破したり侵入したりするのに主に使用される。 ロボットに搭載する装置を変えることにより、さまざまな目的で利用できる。カメラなどのセンサーを搭載して巡回や安全検査業務に、ロボットアームや武器を装備すれば、消防や軍用として使用できる。ただし、四足歩行ロボットの特性上無線で動かす必要があり、バッテリーの持続時間が最大数時間である点が「限界」と指摘されている。車輪で走るロボットに比べ、重い物を運ぶ作業は運用時間の面で不利な場合が多い。 ◇ロシア・ウクライナの戦闘に投入されたロボット犬、偵察任務を担当 米フォーブス誌によると、ウクライナ軍は最近、四足歩行ロボットを実戦に投入した。「BAD2」という名称で知られるこのロボットは、英企業が約30台供給したとされている。 BAD2は高画質ビデオカメラを搭載しており、偵察に特化している。主に地雷を探知し、ロシア軍の位置を探るために使用されている。特に、ドローンの進入が難しい塹壕(ざんごう)や密林などの地形を探索することができる。 ロボットは一度の充電で最大5時間運用できる。時速15kmで走行でき、低い背丈のため、敵に発見されにくい。また、ロボット犬が敵の手に渡った場合、すべてのデータを削除するセキュリティ機能も備えている。 ウクライナ第28機械化旅団のカート中佐は、国防省の公式アカウントX(旧Twitter)で「すべての部隊にロボット犬を1台ずつ配置するべきだ」と高く評価した。 ◇韓国でもロボット犬を試験配置 韓国国内でも四足歩行ロボットの活用に向けた動きが加速している。 防衛事業庁は最近、陸軍に四足歩行ロボットを初めて試験配置した。ロボットは2022年8月に迅速試験事業として開発が始まった。防衛迅速獲得技術研究院が主導的な役割を果たし、陸軍が支援。現代自動車グループの「現代ロテム」、韓国の新興企業「レインボー・ロボティクス」などが参加している。 ロボットは時速4km以上で歩行し、段差20センチ以上の階段を上ることができる。昼夜兼用カメラを装備し、監視・偵察機能に使用できる。リモートで射撃できる拳銃などの装備を着用すれば戦闘任務にも就ける。 ロボットはテロが発生した場合、実際の兵力を投入する前に敵の脅威を確認したり、リモート射撃などで敵を制圧・対応する任務に就いたりするとみられる。軍は今後6カ月間、陸軍特殊部隊と前線の1個師団にロボットを配置して性能を検証。軍への導入可否を決定する予定だ。兵力と連携した捜索・偵察、監視・警戒や対応などを試験運用する。 ◇防衛産業界でのロボット犬企業の買収活発化 韓国の防衛企業も戦闘システムにロボット技術を適用する動きを見せている。 大手防衛企業「LIGネクスワン」は先月、韓国投資プライベートエクイティ(韓国投資PE)と共同で米国の四足歩行ロボット専門企業「ゴーストロボティクス」の株式60%を取得した。 ゴーストロボティクスは2015年に米フィラデルフィアで設立された四足歩行ロボット専門企業であり「ボストンダイナミクス」と並び世界的な四足歩行ロボット企業だ。米空軍が巡回用として採用している四足歩行ロボット「Vision60」を製作している。 Vision60は長時間のバッテリー持続時間と機動性を備えている。損傷した部品の迅速な復旧と修理を目的として部位別に分離可能なモジュール設計も特徴である。 LIGネクスワンは今年中にワシントンに協力センターを設立し、ロボットの活用方法を研究する。今回の買収により、韓国軍が推進中の有人・無人複合戦闘システムに加え、探索・救助、火災監視・鎮圧、障害者の案内など、さまざまな分野でロボット技術の活用を進める。 ロボット業界関係者は「四足歩行ロボットは車輪走行型ロボットに比べて複雑な地形の監視・偵察業務に向いている。さまざまな装備を取り付けることで活用度を広げることができる。戦場の状況に応じて味方の生存率を高めるのに役立つだろう」と述べた。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
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