【高校サッカー選手権】高稜に苦戦を強いられるも、インハイ出場校の福大若葉がウノゼロ勝利
10月26日、第103回全国高校サッカー選手権福岡予選2次予選準々決勝が春日公園球技場で行われ、第1試合で福岡大学附属若葉高等学校(以下、福大若葉)と高稜高等学校が対戦。今大会第一シードの福大若葉はアグレッシブに戦う高稜に苦戦を強いられたが、55分に奪ったゴールを守り切って1-0で勝利。準決勝に駒を進めた。 【フォトギャラリー】 福大若葉vs高稜 「賢守速巧」をスローガンに、クレバーで組織的な守備と、速さ・巧さを兼ね備えた攻撃を目指す福大若葉。個々のストロングポイントを発揮してスピーディなサッカーを展開する高稜。試合は立ち上がりからお互いの特徴がぶつかり合う。 やや押し気味に試合を進めるのは福大若葉。4-4-2の布陣から丁寧にボールを繋いで相手陣内に侵入すると、両サイドに位置する遠藤伊吹(2年)と相田蒼太(2年)、さらにはボランチの奥井星宇(3年)が駆け上がってサイドアタックを仕掛ける。一方の高稜は中盤を3ボランチ気味にした3-5-2の布陣。ボールをシンプルに前線に送り、1トップの三木璃稀(3年)の縦の推進力を活かし、あるいはこぼれ球を拾って2列目から吉弘潤平(3年)、柴田拓海(3年)、安部呼人(3年)が押し上げる。 守備でもお互いに譲らない。ダイレクトにゴールに向かってくる高稜に対して福大若葉が組織的な守備でチャンスの芽を摘めば、高稜は素早い攻守の切り替えと運動量、そして守備でも球際の強さを発揮して福大若葉にチャンスを与えない。特に攻守に渡ってここぞというところに現れる林智哉(3年)と、最終ラインから高い位置まで広いスペースをカバーする坂元海渡(3年)が目を引く。 そんな拮抗した展開に変化を加えたのは、後半からピッチに登場した福大若葉の鉄留千尋(2年)だった。左サイドからパワフルに縦に仕掛けると福大若葉に縦への勢いが生まれる。先制点が生まれたのも鉄留千尋(2年)の突破から。左サイドの裏に抜けて折り返したグラウンダーのクロスに山方翔大(2年)が左足で合わせた。55分のことだった。 しかし、高稜もこのままでは終われない。失点直後に大山龍成(2年)、安部呼人(3年)に代えて柴田羚杜(2年)、山平俊宗(3年)を投入。ここから高稜の猛攻が始まる。攻守に渡って圧倒的な存在感を見せる林智哉(3年)を中心に、これでもかとばかりにゴールに迫った。 しかしゴールは遠かった。65分に三木璃稀(3年)が放ったシュートは身体を投げ出した福大若葉の占部陽大(2年)にブロックされ、70分に吉弘潤平(3年)が放った決定的なボレーシュートは無情にもクロスバーの上に外れた。その後も猛攻を繰り出す高稜だったが、アディショナルタイムが6分経過したところでホイッスル。福大若葉が1点を守り切った。 今夏のインターハイで全国大会初出場を果たした福大若葉が次に目指すのは全国高校サッカー選手権への初切符。その福大若葉を東福岡高校が準決勝で待ち受ける。インターハイ福岡県予選準決勝の再現となる試合でどんな戦いを見せるのかに注目が集まる。 (文・写真=中倉一志)