めんつゆの濃縮タイプの倍数は水の量ではない ストレートとの違いは? 選び方のコツを栄養士が解説
暑くなってくると、そうめんやそばなどの麺類が食卓に登場する機会が増えるでしょう。そこで欠かせないのが、めんつゆです。市販のめんつゆには、ストレートと希釈する濃縮タイプがありますが、どちらを選ぶのが良いのでしょうか。日持ちやほかの料理の使い回しなどを考えると、迷うところです。めんつゆについて、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。 【画像】簡単すぎるのにおいしくて驚愕! SNSで話題になった「めんつゆとレタスの煮びたし」レシピ ◇ ◇ ◇
めんつゆとは 「2倍濃縮」は2倍量の水で薄める意味ではない
めんつゆは、しょうゆや酒、みりんなどの調味料にだしが加わったものです。だしには主に、かつお節や昆布などが使われています。市販のめんつゆのタイプは、そのままつゆとして使えるストレートをはじめ、希釈して使う2倍濃縮、3倍濃縮などがあります。 誤解しやすいのですが、濃縮タイプの「倍」は、ストレートのつゆと比較した濃縮率のことです。めんつゆ量の2倍、3倍の量の水を加えて使用するという意味ではありません。たとえば、2倍濃縮のめんつゆは、つゆ:水を1:1で希釈するとストレートと同じ濃さで2倍量になります。3倍濃縮の場合は、つゆ:水を1:2の割合、同様に4倍濃縮はつゆ:水=1:3の割合で希釈すると、ストレートのつゆがその倍量できるということです。 ストレートと濃縮、どちらのタイプのめんつゆを選んだら良いか迷うこともあるかもしれません。好みの味や使い勝手の良さで選ぶのが一番ですが、それぞれの特徴を知ったうえで選んでみるのも良いでしょう。
だしの風味を選ぶならストレート
ストレートタイプと濃縮タイプでは風味が異なります。ストレートジュースと濃縮還元のジュースのようなものです。一般的にストレートタイプのほうが、濃縮タイプよりもだしの風味が豊かで価格も高めです。だしの旨味成分には、かつお節であればイノシン酸、昆布ならグルタミン酸、シイタケならグアニル酸などがあります。 濃縮タイプは、だしの風味よりも砂糖やしょうゆの味が強めに感じる特徴があります。だしの味わいにこだわりたいのであれば、ストレートタイプのめんつゆを選ぶと良いでしょう。