なぜヴィッセル神戸のフィンク監督は電撃退任したのか…4年連続監督交代の異常事態の背景にある問題点
そうした状況下で発表されたフィンク監督の電撃退任には、離れて暮らす家族に対するコメントが180度変わっている点を含めて、どうしても不可解な点が残ると言わざるをえない。 モチベーションを削ぐかのようなバイアスがかかったのでは、と考えるのは疑い過ぎなのだろうか。いずれにしても、毎年のようにシーズン途中で指揮官が代わるのは尋常ではない。 後任候補として昨シーズンまでラ・リーガ1部のレガネスを率い、いま現在はフリーの状態になっている元日本代表監督のハビエル・アギーレ氏の名前が海外メディアからタイミングよく上がっている。ただ新型コロナウイルスの影響などもあり、就労ビザの取得ひとつを取っても容易ではない状況にもなっている。 しかし、ひとつだけ言えるのは、たとえ三木谷体制下における18人目の監督としてアギーレ氏の招聘に成功し、三顧の礼とともに迎え入れたとしても、また出発点に戻るだけという図式だ。肝心のヴィッセル全体で確固たる哲学と方向性が共有されない限り、また同じ失敗を繰り返すことになるのかもしれない。 (文責・藤江直人/スポーツライター)