2人そろって国家公務員<年金37万円と退職金4,000万円>の70代“最強安泰”夫婦「老後のプチ贅沢」を夢見た結果、ジリ貧生活になった理由【FPが助言】
特定の修繕業者の指定は、公正な取引の確保ができていなければ違法と見なされるケースも
建設会社が特定の業者に修繕を依頼させる契約は往々にしてあります。ですが適正な価格や品質でなく、公正な取引の確保ができていなければ違法と見なされる場合もあります。 マツヲさんは割高な修繕費用の支払いを余儀なくされているため、この契約は無効にできる可能性があります(事例によって異なりますので、詳しくは法律の専門家にご相談ください)。 とはいえ、問題が起きてから争うより事前に対処することに注力すべきです。その方が金銭的にも労力的にもコストは低く済むでしょう。契約書をよく読み、修繕業者が指定されていたら、契約前にリサーチすることで最悪の事態を回避することが可能です。 たとえば同業他社に同じ修繕内容の見積もりを依頼して費用を比較する、ネットの口コミによる評判は悪くないか? 実績はどれくらいあるか? について調べることが有効です。 業者名+「トラブル」や「裁判」などのキーワードで検索すれば、過去のトラブル事例や裁判の履歴を見られる場合もあります。裁判所のwebサイトを活用するのもいいでしょう。マツヲさん夫妻を襲った悲劇は、こうした事前準備を入念に行うことで避けられたかもしれません。
初心者の不動産経営には落とし穴が…まずは失敗談を集めることから始めよう
今回は「元国家公務員の70代夫婦」を例に、老後に始める不動産投資の難しさについて解説しました。資産運用の経験がなく、知識も乏しい70代の夫婦にとって投資、とりわけ不動産経営は決して容易ではありません。 膨大な初期費用や借入金、経営ノウハウの獲得など、越えなければならないハードルがいくつもあります。もしシニアになってから退職金や相続した遺産をもとに不動産経営を勧められても、すぐさま手を出すのではなく、まずは失敗談などを集めてみるのがよいでしょう。成功体験だけを見聞きしていると「自分にもできるかもしれない」と過信してしまいます。 アパート経営を始める前のマツヲさん夫妻にもし声をかけられるなら、コストもノウハウも必要な不動産投資よりも、まずは少額で控えめな株式投資や債券投資などから始めてみることをおすすめします。 波多 勇気 波多FP事務所 代表ファイナンシャルプランナー
波多 勇気
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