「帰りたくない!」と泣き叫ぶ妻…〈年金35万円・貯金5,000万円〉60代の仲良し夫婦、念願の“海外移住”で老後を謳歌も…たった4年で涙の帰国のワケ【FPが解説】
購買力が低下する日本円…自分の資産を守るには
海外移住を考える際は、こういった物価上昇や為替のことも意識しておく必要があります。今回はもともと物価が高いアメリカでの例をご紹介しましたが、反対に物価の安い国に移住し、さほど金融資産は多くなくても余裕の暮らしができると考えてタイや東南アジアの国に移住するという方もいらっしゃるでしょう。 しかし、そういった国々も今後経済が成長し、人々が豊かになってくると物価水準が上がり、日本の物価に近づきます。現時点での物価水準だけで考えず、「モノを買う力=購買力」という観点からも生活設計を考えていく必要があります。 経済成長が停滞してきた日本において、日本円の「購買力」は過去30年程度ほぼ一貫して下がってきました。 海外で生活したいという方は特に考えなければなりませんが、日本円の購買力の低下は多くの資源を輸入に頼り生活している、日本国内で生活する我々にも影響をおよぼすことですので、購買力の低下から自分の資産を守り、生活を守るための意識を持つことが大切です。 日本円の購買力の低下から私達の資産を守るには、豊かになっていく世界の経済成長を私達の資産に取り込み、物価上昇以上に増やさなければなりません。そのためには投資信託等を用いて「国際分散投資」を実践することが有効です。当然リスク(価格の変動等)があり、リスクと正しく付き合っていく必要がありますが、額面のみでなく購買力を意識した、資産防衛の運用の方法を実践していきましょう。 小川 洋平 FP相談ねっと
小川 洋平