慶應大卒“モーレツ社員”の46歳エリートサラリーマン、数年前にメンタルを病んで休職…療養中に気づいた「定年後の自分」の危うさ【インタビュー】
暇は絶対耐えられない!…定年後も“死ぬまで現役”
資格取得、夜間学校、社外活動…休養を経て広がる「夢」 ――こういった革新的な取り組みの実践は、どのような経緯で思いついたのでしょう。 石井:「頭を空っぽにして」セミナーに参加したことが大きかったと思います。空っぽにしたから、業務の延長線上ではなく、イチから最新技術の仕組みや活用方法が頭にすーっと入ってきて、自分なりの発想というものを自然と出せるようになったのだと思います。 同時に、私のこのような経験や行動をさらに飛躍させて「第三者のキャリア形成の手助けができたら良いな」と思うようにもなりました。 ――現在はキャリアコンサルタント資格取得のために勉強されているほか、「おじさんLCC」を含む2~3のコミュニティに参加されているようですね。会社での仕事をやりながら、こういった社外での活動をされる上で大変なことはありませんか? 石井:現在、キャリアコンサルタント資格取得のための勉強をほぼ毎日やっており、週に2回夜間学校にも通っています。また、コミュニティについては週1~2回程度、ZOOMなどのオンラインで参加しています。 でも、今のところ大変なことはないです。キャリアコンサルタントの資格取得後は、より専門性を高めるために大学院にも通ってみたいなと考えてもいます。どうなるかはまだ分かりませんが(笑)。 「もし」という言葉はあまり使いたくないのですが、10年早く気づいて取り組んでいれば、転職などを通じたキャリアアップ、キャリア形成をしていたかもしれませんし、現在よりも多くの社外とのヒューマンネットワークの形成が図れたのかもしれません。 もちろん、今の会社での10年間だったからこそ、会社の中で貴重な経験もさせていただいたことはゆるぎない事実としてあると思っています。どっちが良くて、どっちが悪い、と決めつけることは意味のないことだと思うので、今と未来のことしか考えていません。 また、まだ先の話になりますが、今いる会社で定年を迎えた後の雇用延長ということについては、本当に悩むのではないかと今から考えさせられます。定年後に「家にずっといる」ということもあり得ないですし(笑)。はっきり言って「死ぬまで現役」で動き続けなければ、自分はマグロと同じですぐに死んじゃうんじゃなかろうかと思ったりもします(笑)。 そして、会社を休んでいる間に分かったことは、誰ともコミュニケーションを取ることなく、緊張感もなく、ただ1人孤独でいるような「暇」という状況には絶対に耐えられないということでした。 暇になると、不安というより自分自身が情けなくなってくるんです。休養中に、ふと「俺、定年後こうなってしまうんじゃないか」と思ったんですね。それまでは「定年後の生活」なんて考えることさえしなかったわけですが、あの休養で「このままじゃダメだ」と考え直し行動したことが今につながり、未来にもつながっていくのだと思っています。 金澤 美冬 おじさん未来研究所 理事長/プロティアン株式会社 代表 株式会社YEデジタル 社外取締役
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