【薬剤師に聞く】「薬に含まれている添加物」は身体によくないでしょうか?
薬に含まれる添加物で注意すべきものは?
編集部: 薬に含まれる添加物で注意すべき物質はありますか? 髙橋さん: 例えばカゼインナトリウム、ゼラチン、乳糖、エタノールには注意が必要です。カゼインナトリウムが含まれている医薬品は牛乳アレルギーがある人、ゼラチンが添加されている医薬品はゼラチンアレルギーがある人は避けてください。 また、さまざまな医薬品に添加されている乳糖の中には牛乳由来のタンパク質が含まれているため、牛乳アレルギーを発症する可能性が否定できません。そしてアルコールに弱い人は、液体の薬に安定剤や可溶化剤の目的で含まれるエタノールに注意しましょう。 編集部: これらはどんな薬に含まれていますか? 髙橋さん: 乳糖は多くのものに含まれますが、特に注意すべきは抗インフルエンザ薬ですね。「イナビル」と「リレンザ」は牛乳由来のタンパク質が含まれている乳糖が使われています。 牛乳アレルギーの人がインフルエンザにかかったときは、医師に相談してほかの抗インフルエンザ薬を処方してもらってください。 気管支喘息の治療薬の中にはエタノールを使用しているものがあります。カゼインナトリウムはビタミン製剤に含まれているケースがあります。 編集部: ほかの添加物でアレルギーが出ることはありますか? 髙橋さん: 上記に挙げた成分以外にも、ほかの添加物でもアレルギー症状が出ることもあります。たとえば、増粘剤として多くの医薬品に含まれるカルメロース(CMC)で、アレルギー反応を示す人がいることがわかっています。 薬を飲んで発疹や皮膚・目のかゆみが出たら、すぐに病院に受診しましょう。 編集部: 添加物に気を付けるべきなのは飲み薬だけですか? 髙橋さん: いいえ。貼り薬や塗り薬、目薬などの外用剤でも、アレルギーが出る可能性はあります。飲み薬にかかわらず、ほとんどすべての薬に添加物が含まれているため、購入前や使用前に確認してください。