【阪神JF】快速牝馬レシステンシアが見せた“0.8秒差”完勝劇 2歳女王決定戦の「記録」を振り返る
数々の名牝を輩出してきた一戦
今週は阪神ジュベナイルフィリーズが開催される。今年はアメリカから外国馬メイデイレディが参戦することでも注目を集める一戦だ。 【チャンピオンズカップ2024 推奨馬】勝率66.7%に該当で信頼度◎! 国内は連対率100%で盤石(SPAIA) 阪神3歳牝馬ステークス時代にはニシノフラワーやヒシアマゾン、メジロドーベルらが勝利。阪神JFに改称されて以降もウオッカやアパパネ、ラッキーライラック、リバティアイランドといった名牝を輩出している。今回は阪神JFに改称された2001年以降の記録を振り返る。 昨年は1着アスコリピチェーノ、2着ステレンボッシュ、3着コラソンビートと美浦所属馬が1~3着を独占した。逆に栗東所属馬が最後に1~3着を独占したのは2018年。こちらは1着ダノンファンタジー、2着クロノジェネシス、3着ビーチサンバという着順だった。この年は関東の素質馬グランアレグリアが朝日杯FSに参戦したこともあり、関西馬の独壇場となったとも言える。 3着以内の回数を東西で比べると、美浦所属馬26頭に対して栗東所属馬は43頭と西が優勢。しかし、直近5年に関しては美浦所属馬が9頭で栗東所属馬が6頭と逆転している。ただし、勝ち馬だけで見れば近5年では関東馬2勝に対して関西馬が3勝。2001年以降で見ても関東馬7勝で関西馬は16勝とその差は大きい。 また、昨年のアスコリピチェーノとステレンボッシュはタイム差なしのクビ差決着だった。これまで1、2着馬のタイム差なし決着は8度あるが、その中にはウオッカやソダシといった名牝も含まれている。 0.1秒差決着にもアパパネやラッキーライラックなど強豪が揃うが、その一方で0.4秒以上の差をつけた馬も過去に4頭いる。うち3頭が0.4秒差をつけたリバティアイランド、ブエナビスタ、ジョワドヴィーヴル。そして過去に最も大きな差で勝利を収めたのが、0.8秒差をつけた2019年の勝ち馬レシステンシアだ。 レシステンシアはダイワメジャー産駒で、半兄には芙蓉S勝ち馬ミッキーブラック、半弟には京成杯勝ち馬グラティアスがいる血統。上述のリバティアイランドとブエナビスタが1番人気に推された一方、レシステンシアはファンタジーSを制して2戦2勝での臨戦にもかかわらず4番人気評価でレースを迎えた。 というのも、この年の1番人気はデビュー2連勝でアルテミスSを制した素質馬リアアメリア。2番人気には2戦2勝の新潟2歳S勝ち馬ウーマンズハート、3番人気には2戦1勝ながら前走サウジアラビアRCでサリオスの2着だったクラヴァシュドールなど、注目馬が数多く出走していた。 加えて、レシステンシアはそれまで1400mの距離しか走ったことがないという状況。3戦目のGⅠ挑戦が初のマイル戦となったなかでも、その勢いは止まらなかった。 2枠4番から先手を奪うと、前半600m33秒7のハイペースで逃げる。道中先頭でレースを引っ張り続けたにもかかわらず、最後は上がり最速の末脚を繰り出して圧勝。2着マルターズディオサは次走でチューリップ賞を制する実力派だったが、そんな相手に5馬身の差をつけた。 3連勝で2歳女王となったレシステンシアは、翌年の桜花賞とNHKマイルCでそれぞれ2着と好走。秋のマイルCSは8着に敗れたが、4歳シーズンはさらに距離を短縮して高松宮記念とスプリンターズS、さらに香港スプリントでも2着。快速女王として名を馳せた。 昨年で現役を退き、今年はイクイノックスを種付けられたとのこと。繁殖牝馬としても大きな期待が寄せられている。