輸入車400ccバイクの本命!? KTMの新型「390 DUKE」の走りがスゴかった
■足回りも本気のスペック
フレームは新設計となっていますが、個性のひとつとなっていたトレリス構造は引き継がれています。 大きく変わったのは、リアサスペンションのマウント位置で、リンクレスのダイレクトマウントである点は共通ですが、車体右側にオフセットされルックス的にも存在感が大きなものになりました。この配置によって、エアクリーナーボックスの容量を確保できたのだとか。 サスペンションは前後とも、KTMのグループ企業であるWP製で、フロントフォークは倒立式のAPEXオープンカートリッジタイプ。伸圧両側の減衰力調整が可能で、走りにこだわる人は最適なセッティングを見つけられます。 リアはサスペンション本体にプログレッシブ特性を持たせたもの。スイングアームの造形も個人的にはグッときました。 ホイール形状も一新されていて、本体が軽量なだけでなく、ブレーキディスクのインナー部分を省くことでさらなるバネ下重量の低減を実現しています。見た目にもすっきりしていて軽そうな印象。ブレーキは320mmのシングルディスクに、新開発のラジアルマウント4ピストンキャリパーを組み合わせています。
■同クラスの輸入車ではピカイチの運動性能
初めてこのバイクにまたがると、一般的なネイキッドマシンに慣れた人は驚くかもしれません。着座位置がかなり前方で、ハンドルがめちゃくちゃ近い! ほとんどエンジンの上にまたがっているような感覚です。近年のオフロード車に近いと言えばわかりやすいでしょうか。 オフロードレースにルーツを持つKTMらしいとも言えますが、近年のスポーツマシンは前乗りのマシンが増えているので、トレンドが追いついてきたとも言えるかもしれません。 シート高は820mmですが、オプションで800mmまで下げられます。タンクのボリューム感は先代モデルに比べて増していて、ニーグリップがしやすくなっていますが、車体幅自体は単気筒マシンらしくスリムなので足付き性は悪くありません。車体が153kgと軽量なので、片足でも楽に支えられます。 軽量な車体に元気のイイ単気筒エンジン、そしてハイスペックな足回りの組み合わせが楽しくないわけがありません。ピックアップの鋭いシングルエンジンは、街中でもキビキビした走りが楽しめますし、ワインディングなどで高回転まで回せば、単気筒とは思えないような伸びを味わうことができます。 コーナーでは、行きたい方向に顔を向けるだけで向きが変わってくれるような俊敏なハンドリング。街中の交差点などでもコンパクトに曲がれますし、ワインディングの高速コーナーなどでも剛性の高い車体と足回りで路面に貼り付くようなグリップが感じられます。車体の重心に近いエンジンの上辺りに座っているおかげでバイクとの一体感が非常に高いのも魅力です。 同クラスの輸入モデルにも結構乗っていますが、そうしたマシンと比べてもスポーツ性能では頭ひとつ抜けているような印象。価格は78万9000円ですが、それが安く感じられるような運動性能です。