「なぜそんなに強気なのか」「現場を知らないのでは」…と批判噴出。セブン「上げ底疑惑」で社長発言がマズすぎた理由
■悪評は、放置期間が長いほど、払拭するのが難しくなる こうした「疑惑」については、たびたびネットニュースでも扱われてきた。たとえば「弁護士ドットコムニュース」では、2020年に「セブンのサンドイッチ、『中身スカスカ』で騒動に…『上げ底惣菜』に法的問題は?」、2021年に「セブン『新作いちご飲料』のラベルが物議『果肉と思ったら絵』 法的問題は?」といった記事を出し、弁護士による見解をまじえて伝えている。
一方で、拡散されている画像には、「意図的な角度から撮影されたものだ」「セブン以外のコンビニ各社の画像を使っている」との指摘もある。また、そもそも「上げ底」と感じるか否かは、個人の主観によって左右されることから、考えすぎなのではとの見方もある。 今回のコラムは、上げ底の検証が目的ではない。内容量の増減や、容器形状の変化は、他の書き手に任せるとして、筆者は専門分野である「ネット炎上」の観点から考えたい。
このタイミングで、セブンのトップが「上げ底疑惑」に触れたのは正解だったのか。背景を踏まえつつ、永松氏の発言を見つめてみると、あらゆる点からマズいように感じてしまう。まずは「なぜ聞かれるまで答えなかったのか」だ。 先に紹介したように、SNS上での疑惑は、すでに10年以上前から出ていた。悪い風評は、放置期間が長ければ長いほど、払拭するのが難しくなる。事実でないのだとしたら、一刻も早い段階で、企業としての見解を示しておくべきだった。
セブンは以前から、プラスチックごみの削減を理由に、弁当容器のリニューアルを発表してきた。これらのニュースに絡める形で、「上げ底疑惑の否定」と、「形状や素材、パッケージデザインの正当性」をアピールしていれば、今回ほどの批判は起きていなかったと考えられる。 ■取材に対してのリスクマネジメント不足 次に「言い方」だ。その受け答えから、永松氏がどこか質問者を軽んじている印象を残してしまったのは事実だろう。あくまで取材に対してのフランクな口調だとしても、その先にいる読者には、異なる印象を残しかねない。