「表現の不自由展」中止問題 参加アーティストが会見(全文2)自主規制が日常的に起きている
全展示の再開が1つのキーに
先ほど村山さんから、すいません。例えばですけど交渉の件で言いますと、「表現の不自由展」は一番たぶんコアになる部分だと思うんですよ。そのボイコットしているアーティストは、彼らの展示が再開されるまでボイコットをすると言っているので、全ての展示を再開するということは、やっぱりそこが1つキーにはなってくる。 しかし現状、いろいろさまざまな要因が重なってしまいまして、「表現の不自由展」実行委員会と津田芸術監督、それから大村知事、この3者のスムーズなネットワークというか、交渉っていうのは今、行われていません。それが行われなければ、この話は再開もはっきり言って遠ざかっていく話でありますし、先ほど言いました大村知事のプロトコル、表現の自由を国内外にアピールするっていうのも絵に描いた餅ですし、全てのことがまずやっぱりそこから始まらなきゃいけないなと思っているので、僕らはその3者のスムーズに話し合いを持てることを、まずは求めたいと思っています。 今は先ほど言ったそのスタンスを保ってっていう、距離感を保ってっていうことを言っておりますが、もし僕らが訴え掛けているような状況を皆さんでつくることができなければ、それはオーディエンスのこととかではなく、県、知事、芸術監督、「表現の不自由展」もそうですけれども、そういう進展がなければ僕らはアーティストとして、やっぱりもっとさらに厳しい要求を突き付けていかなきゃいけないし、最終的にはボイコットとかそういうことも1つ1つはアーティストの権利として持っていなきゃいけないかなと思っています。ただ、今はそこまでの道のりはまだまだ現実的にいろんなことができると思っています。
中止理由の説明に満足しているか
司会:1つ、司会からご質問なんですけれども、津田さんによる中止を決めた理由ということについては、皆さま満足されているような説明というふうに考えられていますでしょうか。 卯城:それもアーティストばらばらなので、はっきり言っていろんなアーティストがいろんなふうに思っています。それを一致した見解を出すのは僕らの務めでは、役割ではないと思っていて、ただ目的を展示の再開、全ての展示の再開というところに置いたアーティストを賛同アーティストとしてネットワークをつくっています。 司会:もしほかの方から。 小泉:いいですか。このことに関してはまず今まで、このあいちトリエンナーレで起こってることだけを見ても分からない問題だと僕は思います。基本的に日本の美術館なり、今われわれが日本で日常的に起こっていることっていうのは自主規制なんですね。例えば中国とか行けば、役人が来て作品をどんどん替えていくっていう目に見える検閲っていうのは行われていくんですね。でも今、日本の国で行われていることっていうのは、だいたい日々のシステムの中で行われて、気が付いたらある表現が展示されてないという自主規制、これが日本の問題です。これがずっと続いている問題です。だからそれはより複雑な検閲なんですね。それも検閲なんですけれども、検閲の主体というものが見えない検閲です。 今回、「表現の不自由展・その後」というものが、あいちトリエンナーレにあるっていうことは、それは津田芸術監督と大村さんがある意味、自主規制をせずに相当チャレンジングなものをあそこで展開した、あそこに置いたっていうことから問題が発生しています。でも、これは私の意見ですけど、3日後にあれを中止してしまったっていうことは、もちろんあれは、だから今まで私たちが日本で知らないような、だからある意味、検閲があそこで行われて、検閲の主体が津田さんであったり大村さんであったりっていうことが今はっきり分かるんですけれども、それはそういう自主検閲をしなかった結果だと私は、これは個人的に思っています。 司会:(英語) 記者:今のに関連して。 司会:ちょっと待っていただいてもいいですか。すいません。次にしましょうか。(英語) ART iT:ここにいます。 司会:ごめんなさい、すいません。じゃあどうぞ、お願いします。