セミナーの集客は受講料が高いほうが簡単な理由(滝川徹 時短コンサルタント)
■「高い」と感じる人は、そもそもセミナーに来ない
前項を読んでいただいて、「価格は高く設定したほうがいい」ということはわかっていただけたかと思います。しかし、いざセミナーを開催しようと思った時、価格を高く設定しようとすると「こんな価格で開催してもいいのだろうか」「自分にこんな価格を設定する資格はあるのだろうか」 などと悩む人も出てくると思います。これは自然なことです。 もしそう感じたとしても、気にする必要はありません。勇気を出して、高い価格を設定してほしいと思います。そもそもその価格でセミナーを受けるかどうかを決めるのは「受講生」です。講師である皆さんではありませんよね。もし彼・彼女らが受講料を高いと感じれば、単純に受けに こないでしょう。それだけの話です。なので皆さんが気にする問題ではない。このことをまず理解することが大切です。 それでも、いざその価格で受けに来てくれる人がいると、「こんなにたくさんのお金をもらって申し訳ない」と思うかもしれません(私もそう感じていた時期がありました)。しかしここでも発想の転換が必要です。高い受講料を払うのは必ずしも受講者にとって悪いことではないということです。
■価格が高いと受講生の満足度が高まる理由
たとえば私は昔、フォトリーディングという速読法の講座を受けたことがあります。2日間の講義で受講料は約10万円でした。 2日の講義で10万円は高額だと思います。でもこの10万円という高額な講座を受けたという体験は、私にとって良い思い出になっています。この講座を受けた自分を誇らしく思うところもあるのです。 もちろん、フォトリーディングの手法自体も、その後の読書に大きな影響を与えました。しかし、ここでお伝えしたいのは、高い価格がその講座の価値を高めることにつながる。そういう面もあるということです。 たとえばこのフォトリーディングの講座は、講師側の視点に立てば価格を5000円に設定しても収支はマイナスにならないでしょう。なぜなら10万円の講座とはいえ、何か特別高額なものを使って講義をするわけではないからです。 しかしこの講座が5000円だったとしたら、「特別感」は私の中でずいぶんと薄まったでしょう。この講座の価値は速読ができるようになることももちろんですが「10万円かけてフォトリーディングを身につけた」という体験自体に大きな価値があるからです。つまり、価格を高くすることはその体験の価値を上げることにもつながるのです。 このように、価格を高くすることは必ずしも受講する側からすると悪いことではないのです。むしろ価格を高く設定することで「自分はこの講座を受講したんだ」と誇らしく思えるかもしれません。価格を高く設定すると、その講座の価値は受講生の中で増すのです。 もちろん、いただく報酬に見合った価値を届けることは重要です。しかし少なくとも私の場合、価格が安くても高くても「全力でやる」という点は変わりません。低価格のセミナーだから情報を出し惜しみすることもありません。少なくとも私にとって価格の高低はセミナーの質に影響しないのです。 意識的に低価格のセミナーでは情報量を抑えて、高価格のセミナーの時だけすべての情報を提供する──そんなやり方もビジネスとしてはありかもしれません。しかし私はそうしたやり方は好きではないのです。 そう考えると、どうせ有料セミナーを開くんだったら高い価格をつけてやったほうがいい。少なくとも私にとってはこうした結論になるわけです。また、価格を高く設定することでそれに見合った価値を提供しよう。そうやって頭を使うようにもなります。 より早く講師としてレベルアップすることも考えると、価格を高く設定することはとても大切なのです。