「おいしいけど、売れへんのちゃうか」→年間2000万個を売るヒット商品に! ブレイク中のQBB「チーズデザート」は、ひとりの女性社員の“情熱”の成果だった!
片山さんとパッケージをデザインした女性は、その年社長賞を受賞したそうだ。追い風に乗った片山さんは、そこから次々に新たな味を生み出していく。 ■チーズデザートが選ばれている「味以外」の理由 発売から15年。今もチーズデザートは女性を中心に支持され続けている。その理由は、なめらかな口どけと絶対的な味へのこだわり……だけではない。そこには2つの理由がある。 1.選べる楽しさ 1つは、バリエーションの豊富さ。QBBの強みとして前編でもご紹介したが、チーズデザートも、マダガスカルバニラにラムレーズン、ブルーベリーなど定番5種類に加え、期間限定品が3種。合計8種類を展開している。
期間限定品は、春なら静岡県産のクラウンメロン、秋の現在は熊本県産和栗など、季節の果実や素材を使ったものが中心だ。 さらに2024年9月からは、「まるで、ケーキ屋さんのスウィーツ」と銘打った期間限定品も登場。ピンクのマカロンにローズ風味のクリーム、ライチ、ラズベリーを挟んだ仏発のスイーツをチーズで再構成し、「フランボワーズ&ライチ ~ローズの香り~」として発売している。 筆者も食べてみたが、酸味のあるフランボワーズとライチの爽やかさ、鼻に抜けるバラの香りが三位一体となった味わいは、まさに極上スイーツ。口どけのなめらかさと合わさって、チーズとは思えないリッチな食体験だった。
2.開発者による社内営業 チーズデザートは他のチーズと同様、売り場も開発されている。元々チーズデザートの棚などなかったところに、営業マンが、バイヤーさんや懇意にしている流通企業を説得し、突破口を開いていったそうだ。置けばどんどん売れ、その実績と評判から、地道に販路を広げていったという。 現在は、関西の大手スーパーには全種並んでおり、全国チェーンの大手スーパーなどにも、比較的種類が多く並んでいる。また、売り場が限られたスーパーでも、2~3種は置いてくれているところが多いそうだ。