AI時代における企業セキュリティのリーダーシップ--Netskope Japan・ソリューションエンジニアマネージャー
2025年に向けたIT企業のトップメッセージや年頭所感を紹介する。 Netskope Japan ソリューションエンジニアマネージャー 小林宏光氏 Netskopeは2024年、皆さまに支えられて大きな飛躍を遂げることができました。「Gartner Magic Quadrant」においてシングルベンダーSASE部門でリーダーに初めて選出されただけでなく、Security Service Edge(SSE)部門で3年連続でリーダーの座に輝きました。中でも特筆すべきは、実行力で最上位の評価を、ビジョンで業界最先端の評価を頂いたことです。また、2024年前半には年間経常収益(ARR)が5億ドルを突破するなど、重要な事業目標も達成いたしました。 2019年の日本進出以来、着実に成長を続け、2024年も引き続き日本市場における影響力を高めてまいりました。ソフトバンクグループやNTTコミュニケーションズといった業界を代表する企業とのパートナーシップは、日本での事業展開において重要な役割を果たしています。 また、大阪に新たなデータセンターを開設し、日本国内の拠点を4カ所に拡大いたしました。これにより、日本市場での基盤を強化するとともに、システムの安定性とパフォーマンスを向上させ、日本のお客さまにより良いサービスを提供できる体制を整えました。 さらに、ユナイテッドアローズがデジタルトランスフォーメーションを推進するに当たりNetskope Oneプラットフォームを採用されるなど、日本市場での実績と評価を着実に積み重ねております。 グローバル市場においても、戦略的な事業展開により、サービス提供体制を一層強化してまいりました。その好例が、Microsoftとのパートナーシップで、「Microsoft Entra Suite」内での高度なSSE機能の提供にNetskopeが採用されました。加えて、2024年に急速に広がった生成AIの活用に対応するため、OpenAIの「ChatGPT Enterprise」と連携し、企業が安全にAIイノベーションを推進できる環境を実現しました。さらに、当社のクラウドおよびAIネイティブなデータ保護により、組織はAIを活用する際のセキュリティ態勢とコンプライアンスを自ら管理できるようになりました。 Netskopeは2025年の米国証券取引所への上場を見据え、新たな成長段階へと歩みを進めています。当社は設立以来、明確なビジョンを掲げています。それは、組織がデータの所在や移動に関係なく、全てのデータを可視化・制御・保護できる環境を実現することです。 2025年、セキュリティ領域は大きな転換期を迎えようとしています。企業のAI活用が加速する中、AIの安全性確保が最優先事項となり、組織にはより包括的なリスク管理体制の構築が求められることでしょう。特にAIシステムやクラウド環境においては、状況に応じて柔軟に対応できるセキュリティ対策が不可欠となり、データ保護の手法も革新的な進化を遂げると予想されます。また、業界全体として、ゼロトラストアーキテクチャーの導入が本格化に進み、アイデンティティー管理、エンドポイント保護、ネットワークセキュリティの統合的な運用により、リアルタイムの脅威分析に基づく高度なアクセス制御が実現されていくものと考えられます。 EU AI法をはじめとする新たな規制の施行に伴い、企業や組織はAIの活用状況の可視化と適切な管理が必須となってまいります。AIが適切に利用されているか、コンプライアンスや倫理的な基準を順守しているかを監督する「AIカストディアン(AI管理人)」という新たな役割の重要性が高まると予想されています。さらに、セキュリティとプライバシーの専門家には、先進的なデータ共有の仕組みやデータ生成技術を駆使し、組織全体のAI活用を戦略的に推進していく役割が期待されることでしょう。 サイバーセキュリティをめぐる状況は日々目まぐるしく変化していますが、当社は包括的なSASEプラットフォームと専任チームにより、企業の安全なクラウドトランスフォーメーションをリードしてまいります。さらなる進化を遂げたNewEdgeインフラストラクチャと強化されたSASE機能を基盤に、グローバルな知見と地域への深い理解を組み合わせて、国内外の企業の皆さまそれぞれのニーズに応じたセキュリティソリューションを提供し、2024年も変わらぬ信頼と共に、安全なデジタル社会の実現に全力で取り組んでまいります。