「風が一番のネックに…」なぜ消火活動難航…猪口議員宅で火災 2人死亡
消防大学校の元教授、冨岡豊彦さん。この地域の防災に携わってきました。地域の抱えていた課題が、迅速な消火活動を阻んだ要因の1つだとみています。 元消防大学校教授・冨岡豊彦氏 「(Q.周辺の道路を見てどうか)道幅は、はしご車が走るのであれば問題ないかもしれないが、いざ、はしご車を使おうとすると“ジャッキ”を出さないといけない。そうなると6メートル50センチぐらいの道幅が必要になる。いま見ているところは、ちょっと厳しい気がする」 マンションの構造的にも消火活動が難しかったようです。 元消防大学校教授・冨岡豊彦氏 「最上階に1世帯で住んでいたので、手すりから建物まで距離がある。消防活動的には、ちょっと難しい判断になる」 さらに、こう指摘します。 元消防大学校教授・冨岡豊彦氏 「この火災の消火の一番の困難性は、風ではないかと思う。消防隊が進入するのに、非常に困難だったと考えられる」 27日は、夜になって強めの風が吹きました。それもマンションのバルコニー側へと吹き込む南西からの風でした。 元消防大学校教授・冨岡豊彦氏 「窓から吹き込んで建物に入る風が、一番、ネックになっていたのでは。玄関側が、どうしても風下になるので。(Q.消火活動では、まず、どこから部屋に入るか)最初は、当然、救助最優先だから、玄関を狙っていく。風によって、すごい熱い熱気がくる。室内が高温になるので、消火活動が難しかったと思う」 現場近くに住む人のなかには、「窓ガラスの割れる音で、火災に気づいた」という人もいます。 元消防大学校教授・冨岡豊彦氏 「フラッシュオーバー(火災が一気に拡大する現象)が起きていると思う。大体、温度にして、800~1000度といわれている。その熱でガラスが割れたのではと推測できる。玄関から入り、どんどん水をかければ、もっと早く消せたと思うが、マンションの火事は本当に熱い。それを消すのは至難の業」