75歳以上は年間「95万6,000円」も…家計を圧迫する「医療費」節約のために実践したい“5つのこと”
厚生労働省「令和4年度医療費の動向」によると、新型コロナなどの影響で2022年度の日本の医療費は46兆円と、過去最高額を更新しました。ただ、この医療費は、個々人の意識で節約するが可能だと、医師の秋谷進氏はいいます。医療費を節約するために明日からできる「5つのポイント」をみていきましょう。 【画像】「医師試験」大学別合格ランキング2023
支出が収入を上回る状況が続くなか、「医療費」も過去最高に
インボイス制度や社会保険料の限度額の上昇など、さまざまな形で「増税」が行われている昨今の日本。また物価上昇が続くなか、給与は1990年代前半からほぼ横ばいで推移しており、家計はますますひっ迫している状況です。 実際、2022年の総務省「家計調査年報」によると、夫婦ともに65歳以上の無職世帯(夫婦のみの世帯)の場合、実収入から非消費支出(税金、社会保険料等)を差し引いた可処分所得約21.4万円に対し、消費支出は約23.7万円。約2.2万円不足していることがわかっています。 65歳以上の無職世帯(夫婦のみの世帯)の収支は以下のようになります。「老後2,000万円問題」というように、日本の老後は十分な資金を準備しておかなければ、貯金を切り崩して生活をすることになる可能性が高いのです。 【65歳以上の無職世帯(夫婦のみの世帯)の収入】 ■実収入……24万6,237円※可処分所得…21万4,425円(非消費支出の税・社会保険料等3万1,812円を除いたもの) 公的年金などの社会処方給付22万0,418円その他2万5,819円【65歳以上の無職世帯(夫婦のみの世帯)の支出内訳】 ■消費支出……23万6,696円 食料費……6万7,776円交通・通信費……2万8,878円光熱・水道費……2万2,611円教養娯楽費……2万1,365円保険医療費……1万5,681円家具・家事用品費……1万371円被服及び履物費……5,003円その他……4万9,430円うち交際費は2万2,711円教育費……3円非消費支出(税・社会保険料等)……3万1,812円出所:総務省統計局. 家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年) 公益財団法人生命保険文化センター このように、増税や物価高によって生活がますます苦しくなるなか、昨年度医療費も約46兆円に達し、過去最高を更新しました(厚生労働省:令和4年度医療費の動向)。これは、オミクロン株の流行による新型コロナウイルスの患者数増加が主な要因といわれています。 また厚生労働省の同調査によると、1人当たりの医療費は年間平均36万8,000円ですが、75歳以上が95万6,000円、75歳未満が24万5,000円と、高齢者が医療費の大部分を占めている状況も明らかになっています。 医療はなにかあったときに欠かせないものですから、節約するとしても医療費はなるべく削りたくないもの。しかし、我慢せずに医療費を削減する方法があるなら、それは家計を助けることにつながります。 では、具体的に医療費を削減できる方法は、なにがあるのでしょうか。