日本財団HEROsとJリーグがカンファレンスを開催 ~トッテナムが日本で惜しみなく伝えてくれた「サステナビリティ」~
サステナビリティな取り組みで4年連続1位“プレミアリーグで最も環境に優しいクラブ”
近年、スポーツ界でも環境問題や気候変動などサステナビリティに関する取り組みに力を入れているチームや団体が多くある。 トッテナムのジャパンツアーが行われた7月、Jリーグと日本財団「HEROs」が日本スポーツ界におけるサステナビリティへの取り組みの機運を高めることを目的に、「サステナビリティカンファレンス」を開催。そのスペシャルゲストとして招待されたのがトッテナムだった。ヨーロッパサッカー界において、この分野で先進的に取り組んでおり、スポーツリーグの環境面でのサステナビリティの取り組みを評価する「Sport Positive Leagues」ランキングで、4年連続となるプレミアリーグでの1位を獲得。“プレミアリーグで最も環境に優しいクラブ”としても知られる。 カンファレンスの冒頭、Jリーグの野々村芳和チェアマンは「サッカークラブを通じたサステナビリティ、特に気候変動問題の解決に取り組んでいる姿勢は素晴らしい」と紹介した。 当初の案内では記載されてなかった、ダニエル・レヴィ会長が急きょ来日することになり、ポステコグルー監督とともに、「スポーツにおけるサステナビリティの意義」をテーマにしたセッションに登壇。 レヴィ会長は、プレミアリーグで最も環境に優しいクラブであることを目指した背景について問われ、クラブとしての責任とビジネスがあると明かした。 「我々のモットーには、これまでと違うことをやる、自分でチャレンジするというものがある。トッテナムは初めての黒人選手(※1)を獲得し、コーポレートボックス(いわゆるVIPルーム)を整えるなど、初めて取り組んだクラブなので、環境の事でも私たちの責任で我々のグローバルリーチを活用して色んな人に影響させようと思っている。影響力を持っている責任を担っていると考えている。もっともグリーンなクラブであることに誇りを持っている。実はコマーシャルサイドでもメリットがある。(イングランドやプレミアリーグにおいて)サステナビリティ、ダイバーシティといった活動が評価されてこそ、良い会社から声がかかるようになる」(※1:ウォルター・タル:1909年にイングランドのトップリーグにおいて、GK以外で初めてプレーした黒人フィールドプレーヤー。その後第1次世界大戦に出征し死去) ポステコグルー監督もトッテナムの持つ影響力や責任を感じているという。 「私たちのやること全てが、クラブがどう見られるかに反映されるので、クラブ自体が社会的な意識を高く持っている。クラブとして我々(監督や選手、スタッフ)が代表していくことが大切。(サステナビリティを学ぶことについて)選手もスタッフも色んな人達が自分の責任だという意識があって、クラブの価値を私たちが体現しないといけない。私たちは常に学んでいる、理解しているという姿勢を持たないといけない。世界は本当に変化していて、色んな人達がこういったことを受け入れるかは教育によると感じている。若い人達のほうがこういったテーマをすぐに受け入れやすく、より長く地球に住むのは彼らだからこそ、より興味を持っているし、さらに彼らの子供へと受け継がれていくのではないでしょうか」