心筋梗塞に腕の切断…糖尿病患者が語る“合併症”の本当の怖さ【堀江貴文】
カラダは究極の資本であり、投資先である。そう断言する堀江貴文氏が、最先端の医療と美容情報を惜しげもなく伝授する本連載。第36回は「糖尿病」。2024年9月に開催された「YOBO万博」のトークセッション「サイレントキラー 糖尿病ヤバイ」を誌上公開。堀江氏と糖尿病専門医の渥美義大氏、糖尿病と闘うふたりの患者が熱く語った。 【写真】金を使うならカラダに使え。 老化のリスクを圧倒的に下げる知識・習慣・考え方
指先の小傷から腕の切断にまでいたってしまう、糖尿病の合併症の怖さを多くの人が知らない
堀江貴文(以下堀江) 元プロ野球選手で糖尿病の合併症で片腕を切断した佐野慈紀さん、糖尿病性腎症で透析を続けているお笑いタレントのグレート義太夫さんに、実体験を語っていただきます。義太夫さんは先日、心筋梗塞で緊急入院。現在はリハビリ中なので、病院からオンラインで参加してくださいます。 渥美義大(以下渥美) 心筋梗塞の手術は開胸手術ですか? グレート義太夫(以下義太夫) そうです。2ヵ所切開して、脚の血管でバイパスを作って、心臓が動いている状態です。 渥美 義太夫さんが糖尿病と診断されたのは1995年ですね。 義太夫 37歳でした。診断前はトイレが異常に近くなっていたのを覚えています。 渥美 体内の糖が尿中に排出されて濃くなるので、濃度を薄めるために水分が使われます。だから尿量が増え、トイレが近くなるんです。 義太夫 当時は、令和ではあり得ないような仕事も多くて。甘いものは好きではないんですがジョッキ1杯の蜂蜜を飲まされ、飲み切っても、またジョッキでガムシロップが来たりとか。 渥美 リスキーですね。糖尿病の検査のヘモグロビンA1c(HbA1c)の数値は6.5以上で糖尿病と診断されますが、尿量が増えるなどの症状が出るのは8とか9ですよ。 義太夫 最初に倒れた時の血糖値は630。そのまま2週間、教育入院になりました。 堀江 糖尿病はサイレントキラーだから、痛みがなくて自覚できませんよね。 義太夫 症状を感じないって怖い。医者の言うことを聞けなかったり、ちょっと調子がいいと大丈夫だと思って薬を飲まなかったり。それでどんどん病気が進行するという状況でした。 渥美 そうでしたか。佐野さんの発症も30代後半ですね。 佐野慈紀(以下佐野) たまたま体調が悪くて病院を受診したら、軽い肺炎を起こしていて。ついでに他の検査もしたら、血糖値が350くらいあってビビりました。慌てて、自分なりに考えて節制したら血糖値が180くらいまで下がったので、このまま節制していけば正常値(110以下)に戻ると思ったんですが、180からなかなか下がらない。それを医師に相談したらインスリン注射をするのがいいと言われ、やむなく自己注射を始めました。 渥美 当時の飲み薬だと、低血糖の副作用などのリスクがありましたからね。 義太夫 僕、医者に聞いて驚いたのが、糖尿病の一番の原因は遺伝ということでした。 渥美 環境要因、それこそ食生活の影響も大きいですが、遺伝的な素因はある程度ありますね。堀江さんはどうですか? 堀江 父方の祖父が糖尿病で。たぶん父も。遺伝リスクとしては私もあると思います。 渥美 佐野さんは、引退後の生活は変わりました? 佐野 いっさいトレーニングはしていませんでした。試合後の夜遅い食べ歩きのようなことも全然。野球選手って引退後に太る人が多いんですが、僕の場合は逆で、どんどん痩せていったんです。身体も動いていたので、安心していました。 渥美 高血糖が続いていたために、インスリンが分泌されなくなっていたのでしょう。注射も効きにくくなっていたはず。