“笑いが地球を救う!?”~ケンブリッジ大学生が落語に挑戦してみたら…【ロンドン子連れ支局長つれづれ日記】
最後に、主催したラウラ・モレッティ教授に授業の意義について聞くと、こう話してくれた。「私たちは皆、同じ感情を共有していて、それを文学や芸能の中で表現しています。こうした“人間性”が、異文化との溝を埋めてくれると信じているんです」 これから世界はどこへ向かうのか――先の見えない時代、笑いや涙や怒りなどの感情を表す文学や芸能といった人間が長い年月をかけて形作ってきた“文化”こそが、地球を救うカギなのかもしれない。日本から持ってきた落語のCDを久しぶりに息子と一緒に聴こう。「笑いは海を超える」を実感したひとときだった。 ◇◇◇
■筆者プロフィール
鈴木あづさ NNNロンドン支局長。警視庁や皇室などを取材し、社会部デスクを経て中国特派員、国際部デスク。ドキュメンタリー番組のディレクター・プロデューサー、系列の新聞社で編集委員をつとめ、経済部デスク、報道番組「深層NEWS」の金曜キャスターを経て現職。「水野梓」のペンネームで作家としても活動中。最新作は「グレイの森」。