「カフェが混みすぎて座れない」「いじわるベンチを使うのは訪日客だけ」…東京に「座るにも金が要る街」が増えた本質的な理由とは?
また、このビルの目の前にはニュースなどを連日騒がせていた「トー横」広場がある。かつてのジベタリアンのように「トー横キッズ」たちが座りたむろする空間だったが、現在では治安悪化の観点から広場全体が封鎖され、歌舞伎町のど真ん中に謎の空白地帯が空いている。 もちろんトー横キッズたちの存在は問題ではあるが、しかしここにもどこか「座れない」街の片鱗を見るのだ。 排除アートが増え、街中で座る度胸が日本人から失われるなか、再開発が進んで、富裕層やインバウンド需要を見込んだ商業施設が増え、街中にある座りにくいベンチや腰掛けに、外国人客が座り、金がない日本人はカフェへと大移動する……。
今、東京という街全体が「座れない」街になっているのは、こういったさまざまな要因が重なり合った結果なのだ。 続きを読む:東京で「お金のない若者」が排除され起きている事 ディズニーも高嶺の花、カフェすら混んで座れない
谷頭 和希 :チェーンストア研究家・ライター