「植ちゃんの芝居は伝達の力がすごい」松田凌が舞台『刀剣乱舞』で共演した植田圭輔との“化学反応”を語る
CREA WEBでは、「CREA」2024年夏号のコンテンツの一部を大公開します! 【画像】松田凌さんと植田圭輔さんの写真をすべて見る 「舞台『刀剣乱舞』心伝 つけたり奇譚の走馬灯」で共演する松田凌さんと植田圭輔さん。 「あの店うまいんだよ」。10年来の仲だから見せる飾らない表情、他愛もないやりとり。一見正反対のタイプのように見えるふたりが、お互いに背中を預けられる間柄になるまでを明かします。
俳優としても人間としてもシンパシーを感じてた
顔を合わせた途端、ふたりの間の空気がふわっと緩む。交わす言葉は短いが、それゆえに気の置けない関係性が見て取れた。これまで数々の舞台で共演してきた松田凌さんと植田圭輔さん。ロケの最中も、くだけた関西弁で終始楽しそうに会話を繰り広げていた。 植田 凌とは出会って長いから。 松田 ……もう10年以上か。 植田 でも、いい意味で全然変わらない。昔から熱い男で、それが年々洗練されてきてる感じ。 松田 僕も植ちゃんに同じように思ってるよ。一度口にしたことは必ず実現させる実行力がすごくて、出会った当時から、俳優としても人間としても勝手に何かシンパシーみたいなものを感じてた。 そんなふたりが今回、「舞台『刀剣乱舞』心伝 つけたり奇譚の走馬灯」で何度目かの邂逅を果たす。ふたりが演じるのは、ともに新選組・沖田総司をかつての主に持つキャラクター。加州清光を演じる松田さんは2021年より本シリーズに参加しており、大和守安定を演じる植田さんは本作が初参加だ。
いまも鮮明に覚えている植田さんの一言
松田 植ちゃんとはこれまで4作ご一緒させていただいているんですが、実はいまも鮮明に覚えていることがあって。とある作品で稽古に煮詰まったとき、悩んだ末、俺はトランプでいう“ジョーカー”みたいな手札しか出さないって決めたことがあったんですよ。それを植ちゃんに伝えたら、「じゃあ俺は王道で行くわ。もうスペードのエースしか出さないから。俺らはそれで行こう」って。覚えてる? 稽古場の椅子でさ。 植田 うわ、俺めちゃくちゃ覚えてるわ、それ。 松田 漢らしい潔さを感じて、俺も腹が決まったというか。実はこれまで芝居でがっつり絡むことは少なかったんですが、新作公演で自分が加州清光として背中を預ける相手……大和守安定は、願わくば植田圭輔くんだといいなと思ってました。 植田 俺も加州清光が刀ステに顕現したときに、相棒的存在である大和守安定もいつか出てくるんだろうというのは、予想してはいて。当時から、「俺、まだまだいけまっせ」とは思ってました(笑)。 松田 それはたぶんファンの方々も願っていたことで……。 植田 ありがたいことにね。凌もそう思ってくれてるのを知っていたから、お話をいただいたときは、「ヨシッ!」でしたね。