「植ちゃんの芝居は伝達の力がすごい」松田凌が舞台『刀剣乱舞』で共演した植田圭輔との“化学反応”を語る
その血さえ自分の装飾として美しくいられるように
松田 大和守安定が植ちゃんに決まって、俺らならどうにかできるって地盤ができて、すごい挑戦をし続けられるなって思ってる。 植田 それは嬉しいな。役を追求した上でのカッコよさと、ただ舞台上でカッコよくいることは全然違うと思ってて、凌は間違いなく前者をやってる人。加州清光は刀剣男士だから、この表現が合ってるかわからないけど(笑)、凌が演じているとちゃんと役に血が通っている感じがするんだよね。 松田 加州清光役に関して言うと、ミュージカル『刀剣乱舞』(以下、刀ミュ)のほうで、すでに佐藤流司くんが演じてきていた役で。その輝きを見ていただけに、引き受けるにあたって失礼のないよう、この役をまっとうする人間として、あの期間はすべてを費やして、爪の色ひとつ髪の毛1本まで完璧に近い形で体現しようと役を研究してました。たとえ血まみれになっても、その血さえ自分の装飾として美しくいられるように、と。 植田 その姿を見ていたからこそ、凌の横に一番合うのは俺だって証明していかなきゃいけないなと思ってる。刀ステにおける大和守安定は俺しかいないって胸を張って言えるものを見せないとね。大和守安定って敏感さを持ったキャラクターだと思うんです。僕も、自分の発言が全体にもたらす影響とかに結構気を配ってしまう性格なので、大和守安定のある種の“敏感さ”を繊細に演じられる気がしてる。 松田 植ちゃんの芝居って“伝達”の力がすごいんだよね。僕は、俳優にとって一番大切なのは心だと思っているんだけど、それがセリフの明瞭さでも身振りでも表現の仕方でも、伝わらなければ意味がないわけで。植ちゃんとの化学反応はきっと面白いと思う。
“めちゃくちゃ刀ステを愛してる”演出家のもとで
刀ステの1作目から脚本・演出を手掛けるのは末満健一さん。深遠な世界を構築し重層的な物語を紡ぎ出す劇作家であり、それを情緒的かつドラマティックに描き出す演出家として評価を得ている。 植田 末満さんって、与えられた条件で可能なもの以上の表現を常に追求していて、そのためのセッションを怠らない人っていう印象があります。しかもめちゃくちゃ刀ステを愛してる。 松田 その末満さんが、今回王道を突っ走ると話していて。それが泣けるのか笑えるのか感動できるのかはわからないけれど、俺たち役者は、板の上で演劇の真たるものを目指していかなきゃいけないだろうし、末満さんの思い描くその先の世界に挑んでいけるだけの座組は整っていると思うし。 植田 それには本気の前のめりで挑んでいかないといけないね。 松田凌(まつだ・りょう) 1991年9月13日、兵庫県生まれ。2012年ミュージカル『薄桜鬼』斎藤 一 篇で舞台初主演。主な出演作に、ドラマ『仮面ライダー鎧武/ガイム』城乃内秀保役、舞台『「進撃の巨人」-the Musical-』リヴァイ役など。 植田圭輔(うえだ・けいすけ) うえだけいすけ◎1989年9月5日、大阪府生まれ。2007年俳優デビュー。主な出演作に、舞台『おそ松さん on STAGE』チョロ松役、『文豪ストレイドッグス』中原中也役、『MANKAI STAGE「A3!」』御影密役、『鬼滅の刃』我妻善逸役など。 衣装クレジット 松田凌 シューズ 53,900円/メゾン ミハラヤスヒロ(メゾン ミハラヤスヒロ トウキョウ)03-5770-3291 その他/スタイリスト私物 植田圭輔 シャツ 93,500円、Tシャツ 26,400円、シューズ 48,400円/メゾン ミハラヤスヒロ(メゾン ミハラヤスヒロ トウキョウ)03-5770-3291 その他/スタイリスト私物
望月リサ