保育施策「量」から「質」へ 待機児童減で転換、多機能化など推進
こども家庭庁は20日、2028年度末までの保育政策の新たな方向性をとりまとめ、発表した。保育所の待機児童の大幅な減少に伴い、待機児童対策のために「量」の拡大を主眼としてきた保育施策を転換。地域のニーズに応じた保育の提供など、「質」に力点を置く。 【写真】「すし詰め」の子どもたち、職員も疲弊 葛藤のなかの「学童保育」 政府は21年度から待機児童対策を柱とした「新子育て安心プラン」を実施。24年度末までに、約14万人分の保育の受け皿を確保するとしていた。一方、今年4月1日時点の待機児童数は2567人で、ピーク時の17年からおよそ10分の1に減少した。 このため、待機児童が発生している自治体については引き続き対策を続けながらも、全国的な待機児童対策の数値目標は設定しない。 28年度末をめどに、人口減少地域も含め、地域の実情に応じた施設整備や統廃合、多機能化▽職員の配置基準の改善▽保護者の就労要件を問わずに保育所などを利用できる「こども誰でも通園制度」▽障害のある子どもや医療的ケア児の受け入れ体制の充実▽保育士の処遇改善▽DXによる業務改善――など、質の高い保育のための施策を推進する。(川野由起)
朝日新聞社