鹿児島県・奄美大島在住の〝高校生先生〟小中学生お助け、有志「あんなこと」冬休み宿題、寺子屋始まる 特別授業やレクも
奄美大島在住の高校生有志グループ「annacoto(あんなこと)」が、小中学生の冬休みの宿題をお助けする寺子屋活動「TIERRA小屋」が28日、奄美市名瀬の金久中学校で始まった。地元高校生の生徒ら6人が先生役となり、小中学生10人と一緒に宿題をこなした。 有志グループは、地元校や通信制に通う高校生らが学校の枠を越えて集まり2023年4月に発足した。「本気で遊ぶしまんちゅ高校生」をテーマに、31人が所属。独自にイベントやボランティアの活動をプロデュースし、地域おこしに取り組んでいる。 寺子屋は、大学進学を前に「ふるさとに恩返しを」と、夏休みに続いて企画した。時間割は、宿題、特別授業、レクリエーションなど4時限で実施。小中学生らは持ち寄った宿題を机に広げ、漢字の書き取りや英単語のつづり、算数の解き方などを教わった。 この日は、初の特別授業「奄美群島日本復帰」もあり、戦後に米軍占領下にあった奄美の様子が高校生目線で伝えられた。最後は体育館で体を動かして和気あいあいと交流し、親睦を深めた。 冬休みの宿題を全て終えたという小宿小学校4年の田中優之介君(9)は、「社会の自然被害を教えてもらった。みんなで教え合えて楽しい」と喜んでいた。 特別授業の講師も務めたルネサンス高校通信課程3年の元平結凪さん(18)は、来年は島を離れて語学を学ぶために海外に留学する。「島の大人だけでなく、子どもにも恩返しをしようと企画した。活動をするたびに学びが増え成長もできた。将来、子どもたちがあんなこともあったなと思い出してもらえれば」と笑顔だった。 寺子屋は、▽29日=住用・奄美体験交流館▽1月4日=アマホームPLAZA▽同5日=有屋公民館▽6日=笠利公民館―でも行う。