就活生「カフェで接客のアルバイトをしていました」…似たような自己PRで「採用される人/お祈りされる人」の“分岐点”【キャリアコンサルタントが解説】
採用面接では「自信を持って自分らしさを伝えられる就活生」が勝ちます。自分自身のことや、自分が考えていること、自分の想いをありのままに伝える…それだけでよいのです。「自分らしさを伝える言語化力」を磨くには、どうすればよいのか。森田昇氏の著書『生涯収入を最大化する「就活の技法」』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、見ていきましょう。
面接は「自信を持って自分らしさを伝えられる就活生」が勝つ
「自信を持って話せる」就活生に、面接官は強い魅力を感じます。それだけ企業で活躍する期待が持てますからね。将来的に、自社の商品やサービスについて自信満々にプレゼンできる、顧客に提案できる姿を容易に想像できます。面接官にそう思われたなら、間違いなく面接を突破できますよね。 逆に、不安げで、おどおどし、目が泳いだまま、質問にも曖昧な回答しかできない就活生は選ばれません。質問への回答の内容以前に、これではお見送りになってしまいます。自信を持って自分らしさを伝えられる就活生が勝つ、それが面接です。何も難しい内容を話せ、個性豊かなアピールをしろ、唯一無二を表現しろ、ではないのです。自分自身のことや、自分が考えていること、自分の想いを、相手の期待に応えてありのままに伝える。それだけです。 ただ、このありのままに伝えるには、練習量とともに、ある程度の技術が必要です。面接での暗黙のお約束事でもあるので、守らないとお見送りになります。
「受かる就活生」は話が具体的、「落ちる就活生」は話が抽象的
面接官のほぼすべてが、「自分自身の体験や考えをわかりやすく伝えられる就活生」を面接で評価します。「今の就活生の話はわかりやすかったorわかりにくかった」と評価の論点にしていたり、それで面接の合否が決まったりもします。その対応策として、次の3つの技術の練習をしてください。 ・結論ファースト。 ・シンプルに話せ。 ・具体的な取り組みを話せ。 練習を重ねれば、自然と言語化力が磨かれます。すると、あたかも面接官が頭の中で情景をイメージできる、映像化できるほど、わかりやすく伝えることができるようになります。「ほぼ同じ内容を話しているのに、受かる人と落ちる人に分かれる」のは、この言語化力の差です。そして、この言語化力に最も必要な技術が、ES3点セットにもありました「具体的な取り組み」を話せ、です【図表】。 たとえば、「私の特徴は最後までやり切る姿勢です。理由は、ストレス耐性が高く、達成意欲が高いので、どんな困難な目標でも最後まで諦めずに取り組めるからです」といった自己PRがあるとします。結論ファーストでシンプルにも話しています。しかし、これは「わかりにくい話」です。 なぜなら、面接官が知りたいのは抽象的なものではなく、具体的な「イメージ」だからです。曖昧で抽象的な話はイメージが定まりません。数字や固有名詞を出す等して、詳細で具体的な話をしないと、伝えたいイメージが伝わりません。このイメージが湧かないのが「わかりにくい話」なのです。ですので、「具体的には~」と続けて、過去のエピソードやストーリーを伝える必要があります。これを「抽象と具体」といいます。 面接官は「信憑性があるか」、「どの程度のレベル感か」を確かめるために具体的な話を聞いてきます。ここで、いくら聞かれても細部が出てこなければ「嘘つき」、「他人の手柄にタダ乗りしている」、「あれはわしの手柄じゃサギ」と思われ、お見送りです。 また、具体的でなければレベル感が伝わりません。たとえば、「カフェで接客のアルバイトをしていました」だけでは、個人経営の純喫茶で常連客相手に深いコミュニケーションを取りながら仕事をしていたのか、駅近のチェーン店で多数のお客様を捌いていたのか判別できません。両者では使う能力も難易度も異なりますから、必ず具体的に確認されます。 ES3点セットでは具体的なエピソードを入れていたのに、いざ面接の場となると結論ファースト、シンプルに話せに囚われ過ぎてしまう。面接あるあるです。しかしこれは、練習で克服できます。敬語は多少間違えても問題ありません。それよりも、自分の言葉で具体的に自分のストーリーを簡潔かつ具体的に、そして熱を持って語れるようにしましょう。あとは、聞かれたことに素直に答えれば大丈夫ですよ!
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