介護の負担を減らしたい”ねがい”が詰まった話題のアイテム5選<注目のイベントレポート>
3.着替えの負担を軽減!服のお直しサービス『キヤスク』
『キヤスク』は、加齢や病気などで体が不自由になり、着たい服をあきらめている人に向けた“服のお直しサービス”だ。キャストと呼ばれるお直しスタッフが、それぞれのニーズに合わせて服をお直しする。 「着やすさを優先して服を選ぶのではなく、着たい服を選んでもらいたいと思い、このサービスを始めました。身体の状態や状況は人それぞれ違いますし、服の好みもさまざまです。我々のキャストがお直しをすることで、自分が着たいと思う好きな服を着られるようになります。お気軽にご相談ください」(コワードローブ代表・前田哲平さん) ブースには、袖をファスナー開きで着やすく直したもの、車いす利用者のためにパンツのお尻の部分を柔らかい素材に変えたもの、ボタンを面ファスナーで開閉しやすくしたものなど、心のこもったお直し洋服が並ぶ。 【データ】販売名:キヤスク発売元:コワードローブ価格:服のお直し箇所やパーツによって異なるTシャツ→前開きへの直し1650円、肩から袖にかけて開く直し(片側)2310円パンツ→前開きへの直し(両足)3300円、褥瘡対策4400円 など公式HP:
4.移動にもリハビリにも活用できる足こぎ車いす『COGY』
デザインも色もポップな車いすを発見! 「足こぎ」ができるというが、そもそも車いすとは歩行困難なかたが座り、介助者に押してもらうのでは? 「はい、そうなのですが、この『COGY(コギー)』は、一般的な車いすとは発想が違うんです。ペダルをこぐことで同行者と一緒に並んでお話ししながら進めるので、ユーザー様にとても気に入っていただいています」 こう話すのは、製作・発売元であるTESS代表の鈴木堅之さん。鈴木さんは東北大学医学部の半田康延さんによる研究グループが試作したペダルを付けた車いすを基に、足こぎ車いす『COGY』を開発した。 「歩けないかたでも、ペダルを踏むことで反射神経が働く場合があり、右のペダルを踏むと自然に左のペダルを踏むという動作ができるのです。ペダルが軽いので、実際に麻痺があるかたでもスムーズにこげるケースは多いです」(鈴木さん) 鈴木さんは、全国の高齢者施設などでこの足こぎ車いすを紹介し、普及に努めている。 「施設のスタッフのかたからもリハビリの効果があると好評です。左側にあるバーブレーキはあの零戦からヒントを得ているんです。実際に戦時中にパイロットをしていたかたに気づいていただいて、日本の技術が戦いではなく、みんなのためになっているのは喜ばしいと、お褒めの言葉をいただきました」 早速記者も体験してみると、軽くペダルを踏むだけで前後進でき、自走する楽しさを感じられた。 「通常の車いすは、押している介助者と座っているかたの位置が前後になっていて、お話するのも遠いですよね。こちらは並んで一緒にお出かけできるんです。 『COGY』導入されているある学校では、普段車いすを利用しないお子さんと、利用している子どもさんが一緒にこれに乗って競争して同じように楽しんでいますよ。今年9月からは、より快適に使いやすいデザインにした日本国内製造となる『COGYⅡ』の発売を開始しました」 【データ】販売名:足こぎ車いす『COGYⅡ』発売元:TESS価格:販売50万円、レンタル約2800円/月(介護保険適用 1割負担者の場合)公式HP: