日本を救うかもしれない「AI野々村真」…監督が明かす壮絶現場、本人も「どうにかなりそうです!」
様々な有名人にオファー
人手不足が叫ばれる日本を救うかもしれない男がいる。 それがタレントの野々村真(60)だ。といっても本人ではない。AIとなった野々村だ。 【マンガ】それは本当に子供のため…?中学受験で「悪意なき毒親」が生まれる理由 前編記事『「私は人工知能で作られた野々村真です」…世界と逆行する注目のプロジェクト「AI野々村」が日本を救うかもしれない「深い理由」』につづき、監督が語るAI化の収録現場の秘話や演歌歌手やスポーツ選手を起用するAI野々村真の未来、さらに実際に施設で利用された様子を詳しくお伝えする。 プロジェクトの監督を務める内野政明氏はその未来についてこう語る。(以下、「」は内野氏) 「現在は野々村さんのAI化を進めていますが、演歌歌手やスポーツ選手、タレントの方々にもオファーをかけている状態です。というのも医療関係からも問い合わせをいただいておりまして、例えば長期で入院する患者さんの会話のキャッチボール、特にお子さんなどは遊ぶこともできず、学校にも行けずに退屈してしまいます。そこを見越して野々村さんだけではなく、スポーツ選手やアニメのキャラクターがそういった方の話し相手になってくれればもっとAI野々村真の世界が広がると感じています」 一方でその収録現場はアナログそのものだったという。
「17時間をかけて…」
「野々村さんの場合は最初の動きを3時間かけて撮影し、あとは17時間かけて声や話し方、それに野々村さんの思い出話を取り込む作業を進めました。今回のAIは野々村さんというオートクチュールのシステムですので、単に言葉だけではなく野々村さんの記憶を吹き込む必要がありました。 幼少期からの出来事を延々と話し続ける様子はさながらドキュメンタリーのインタビューで、私も撮影しながら途中で『これは何を撮ってるんだっけ?』と混乱しました(笑)」 撮影を終えた野々村も思わず「人間・野々村真が壊れかけました(笑)」と口にするほど過酷を極めた収録現場。そこではこんな不思議な光景が広がっていたという。 「ワードの摘出も必須ではあったので、野々村さんにはこちらが用意した謎の文章を読み上げてもらいました。『今日はお姫さまとどこどこへ行ってきた』とかですね(笑) それが1000個ほど続き、最終的にはご本人も『どうにかなりそうです!』と頭を抱えていました。野々村さんには申し訳ないです。今後は技術も進んで収録の時間は短縮されるとは思いますが、最初なのでこれほど時間がかかってしまいました」 今年6月から東京、埼玉、大阪での実証実験も開始。現在は利用されたデータを元にさらなる分析を行っている最中だという。