逆転タイトルに向け「さらなるパフォーマンス向上が必要」。トヨタ、初日は4&6番手/WEC第8戦バーレーン
10月31日(木)、バーレーン・インターナショナル・サーキットでWEC世界耐久選手権の2024年シーズン最終戦となる第8戦バーレーン8時間レースの公式練習が行われ、初日から僅差の激しいタイム争いが繰り広げられる中、TOYOTA GAZOO Racing(TGR)の2台のGR010ハイブリッドは、タイトルを決定する一戦へ向けた準備を開始した。 【写真】サインガードで話し込む平川亮、ブレンドン・ハートレー、ライアン・ディングルエンジニア ■「タイヤマネジメントの妥協点を見極める必要がある」と小林可夢偉 この週末、バーレーンではふたつのタイトルが決する。TGRは11月2日(土)の決勝レースで勝利すれば、自力でマニュファクチャラーズタイトル獲得ができるほか、7号車の小林可夢偉とニック・デ・フリースには、わずかながら逆転ドライバーズタイトル獲得の可能性も残されている。また、TGRはこのサーキットでの8連覇を目指している。 走行初日の2回のフリープラクティスで、チームはレースへ向けた準備作業に集中した。マイク・コンウェイ/可夢偉/デ・フリースの7号車は4番手タイムをマーク。ディフェンディングチャンピオンであるセバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮の8号車は6番手となった。 1周5.412kmのバーレーン・インターナショナル・サーキットは、高速コーナーと低速コーナーが混在し、タイヤ摩耗の激しい路面のため、車両セットアップとタイヤマネジメントが特に難しいコースだ。そのため、チームはこの初日木曜日の3時間の練習走行の大半を、土曜日の決勝レースへ向けたセッティング調整に費やした。 12時15分からのFP1では、メカニカルとパワートレーンの調整に重点を置いたプログラムを行い、8号車はブエミのタイムで7番手、7号車はコンウェイのタイムで10番手。 日没後の17時30分から開始されたFP2は、セッション開始直後に7号車のデ・フリースと8号車のハートレーが予選シミュレーションを行い、これがこの日のそれぞれのベストラップとなった。その後のセッションでは、決勝向けのセットアップを行っている。 走行2日目となる11月1日(金)は、FP3と予選&ハイパーポールのセッションが行われる。初日の2セッションを終えたTGRの6名のドライバーのコメントは、以下のとおりだ。 ■小林可夢偉(チーム代表兼7号車ドライバー) 「今日は特別なことは何も起こらず、予定されたプログラムをこなしていく、典型的な公式練習の初日となりました」 「もちろん、路面は常に変わっているので、タイヤ摩耗についてはデータを積み重ねています。まだこれからですが、タイヤマネジメントにおいての妥協点を見極める必要があります」 「今日はまずまず無難な一日でしたが、いくつか進歩はありました。明日も頑張ります」 ■マイク・コンウェイ(7号車) 「バーレーンに戻れて嬉しい。今日の2回のセッションでは、クルマを調整し、予選と決勝へ向けてその最大限のポテンシャルを引き出すべく尽力した。学ぶべき点もあり、ポジティブな一日だった。まだ改善の余地はあるが、まずまずのスタートを切ることができたと思う」 「上位勢は非常に接近しているが、我々もその中に入っているので、さらなるパフォーマンス向上が必要だ」 ■ニック・デ・フリース(7号車) 「タイヤのグリップレベルが非常に低かった路面コンディションを考えれば、まずまずの初日だったと思う。我々は上位争いの中に加わっているが、今日の結果から多くの結論を出すことは難しい。悪くないポジションにはいると思う」 「ライバルと比較するとまだ足りない部分があるが、それを埋めるべく努力を続ける。全体的には良い一日だった」 ■セバスチャン・ブエミ(8号車) 「シーズン最終戦を戦うためにバーレーンに戻って来ることができ、嬉しく思う。我々が好成績を残してきたこのサーキットで、シーズンをチャンピオンタイトル獲得で締めくくるべく、チーム全員が懸命な努力を続けている」 「今日はクルマのすべてのパフォーマンスを引き出すことに集中し、明日も全力で作業を続ける。我々8号車はクルマのバランスとブレーキに対応すべき点があり、簡単な一日ではなかったが、上位とそれほど離れてはいないので、もう少しパフォーマンスを見出す必要がある」 ■ブレンドン・ハートレー(8号車) 「今日は何のドラマもなく、とてもスムーズな一日だった。いくつかの車両セットアップの内容に取り組んだが、バランスの面でまだ完全には満足できていないので、改善しなくてはならない」 「上位争いが非常に接近している中で、我々のクルマはまだそこに加わることができていない状況だが、改善の余地はあるし、明日は改善できるよう頑張りたい」 ■平川亮(8号車) 「我々にとっては収穫の多い一日でしたし、ここでのクルマについて多くのことを学ぶことができました」 「このコースはタイヤにとても厳しいので、その点をより深く理解するため作業を進めました。また、決勝レースで良いペースで走れるように、クルマの最適化にも時間を費やしました」 「多くのデータを得られたので、今夜はそれらを分析し明日に備えたいと思います。引き続き改善を続けていきます」 [オートスポーツweb 2024年11月01日]