北米襲来の大寒波、原因は地球温暖化!?
1月25日は「日本最低気温の日」です。1902年に北海道旭川市で-41度を記録し、公式記録としては、この気温が日本最低気温となっています。 ■今年に入り日本や北米で大寒波 その記録が作られてから100年以上経ちましたが、今年に入り日本や北米では近年にない大寒波に見舞われています。特に北米ではナイアガラの滝が凍り、中東部の州では気温がマイナス40℃に達した所もありました。片や、夏の季節に当たる南半球のオーストラリア南東部では連日の40℃を超える猛暑となって、テニスの全豪オープンも中断されりもしていました。そういえば2013年夏は日本もかなりの猛暑でした。いったい、最近の地球はどうなっているのでしょうか?
この冬の寒波について、米海洋大気局(NOAA)は「北極上空にある極渦(きょくうず)の不安定さが原因だ」と説明しています。極渦は両極の上空、対流圏の上面付近(高度約6km)に発達する低温の気流の渦で、周囲をジョット気流が取り囲むように吹いています。南極の極渦は大陸の上にあり、ジェット気流も安定しているので、上から見ると、ほぼ円形をしているが、北極の極渦は北極海の上にあり、ジェット気流も標高3,000m以上のチベット高原や北米大陸のロッキー山脈などに曲げられるなどして、つねにゆがんだ形をしています。 ところがこの冬、北極の極渦が「弱まり、故障した」ことで、シベリア、東アジアなどのユーラシア大陸側と、カナダ、グリーンランドなどの北米大陸側の2つに大きく分極化してしまいました。その外側を回るジェット気流が大きく蛇行したことから、それが垂れ下がった北米中~東部や日本などに、北極の寒波が流れ込んだのだと言います。 ■地球温暖化が影響 極渦の“故障”の原因とみられるのが地球温暖化です。北極海の海氷が融け出して、年による増減はあるものの、年々少なくなる傾向。このため北極地方の冬の低気圧の進路や気圧配置が変わり、シベリア地方に寒気が入りやすくなって、日本にも厳寒がもたらされます。豪雪となった日本の2005-2006年の冬もそれが原因だったと、2012年に海洋研究開発機構の研究者が指摘しています。