伊東氏、星野氏、平松氏が野球殿堂入り!
公益財団法人、野球殿堂博物館は16日、東京ドーム内の野球殿堂博物館で平成29年度の野球殿堂入りを発表した。プレーヤー表彰では、元西武の捕手で現千葉ロッテ監督の伊東勤氏(54)が選ばれ、監督、コーチの退任後6か月以上、引退後21年以上を経過した人を対象とするエキスパート部門では、中日、阪神、楽天の3球団で優勝監督となった星野仙一・楽天副会長(69)、元大洋ホエールズのエースでカミソリと恐れられたシュートを武器に通算201勝を果たした平松政次氏(69)の2人が殿堂入りした。 3人は、この日、野球殿堂博物館での記者会見に出席してスピーチを行った。 また特別表彰として、夏の甲子園で合計13度も決勝の球審を務めるなど、高校野球の名審判だった故・郷司裕氏、元毎日新聞の野球記者で、プロアマの公認野球規則の整備に尽力した故・鈴木美嶺氏の2人が選出された。これで殿堂入りは述べ197人となった。 9年目にして265票を集めた(当選必要票は250)伊東氏は、1500試合以上出場した捕手としては、史上4人目の殿堂入りとなった。熊本工時代に甲子園に出場したが、西武管理部長だった故・根本陸夫に惚れ込まれ、西武の球団職員として囲われる異例の形で、1981年にドラフト1位で西武へ入団。ルーキーイヤーから出場機会を得て、現役時代は捕手として歴代3位となる2327試合に出場、ベストナイン受賞10回、ゴールデングラブ賞受賞11回で、1996年9月7日から1998年5月27日にかけては、捕手の日本記録となる1263守備機会連続無失策を記録するなど、14度のリーグ優勝、8度の日本一を経験。西武黄金期を司令塔として支えた。 捕手としては、それまでの常識を覆すような強肩、強打、俊足の3拍子揃ったハイブリッド捕手で、通算1738安打、156本塁打に加え、通算犠打305はパ歴代1位、通算134盗塁は、捕手としての日本記録だ。 引退後は、西武監督を務めて初年度にリーグ優勝。その後、韓国でのコーチ経験などを経て、2013年からロッテ監督。優勝はないが、4年で3度のAクラスに導くなど監督としての手腕も高く評価されている。 伊東氏は、この日、「本当に自分でいいのだろうかというのが正直な気持ち。歴代の恩師、川上(哲治)さん、広岡(達朗)さん、森さん、ウォーリーー与那嶺さん、根本(陸夫)さんらに一歩でも近づけたか、感謝したい。昨年、故郷の熊本が大惨事となり、今でも多くの方々が苦労している。郷土の代表して、このニュースが故郷の明るい希望、未来へ少しでも貢献できればと。今もユニホームを着れて勝負できているのは幸せ。ロッテは優勝から遠ざかっているし、殿堂入りの自覚と責任をもって恩返したい」と、喜びの声を伝えた。 「西武では勝つことを宿命づけられ、そのことだけに必死だった。捕手としては、私生活からの観察が大事で、私の強みは経験だった。あらゆる局面を経験してきた、そこは負けないという自負がある。だから今も現役選手が困っていればアドバイスができる」とも語った。