高め狙いの直球で「ストライクが入らない」理由とは? 制球力向上に不可欠な“現象理解”
股関節の柔らかさを生み出すトレーニング方法
体の硬さが要因となり、制球に苦しむケースもある。“柔らかさ”がなければ、上体に頼り過ぎてボールを握る手だけで操作をしてしまいがちになる。投げる動作においても柔軟性は備えておきたい要素だ。 「子どもたちはよくプロ野球選手の投げ方を真似しようとしますよね。参考にすること自体は悪くないと思いますが、投げ方だけではなく、体の柔らかさなど、プロの選手の体の機能を覚えてほしいと思っています」 そう語る高島氏は、特に踏み出す足(前足)の「股関節」に柔らかさがなければ投球に苦しむとも言う。 「股関節を“外側に回す”動きのスペースが重要です。股関節の正しい使い方自体を理解していなければスペースを効果的に使えませんが、股関節周りの柔らかさは大切です」 柔軟性を導き出すためのトレーニング方法としては、地面に対して片膝立ちの状態を作ってボールを投げるのもいい。メディシンボール、あるいはサッカーボールやバスケットボールといった大きめのボールを、まずは投げてみることもいい。 「踏み出す足を曲げて大きなボールを投げた場合、股関節にしっかりと力が入らないとうまく投げられません。投球動作に近い動きを段階的にやってみることも効果的でしょう」 柔軟性も含めて「体をうまく使うことができれば、全力で投げなくても、いい球はいく」とも話す高島氏は、今月16日から開催される「投球指導week」でも、その指導法の一端を披露してくれる。
佐々木亨 / Toru Sasaki