「中学生も逮捕…!」普通の仕事より「ラクして稼ぎたい」…短絡的な思考につけ込む闇バイトの”魔の手”
闇バイトで中学生も逮捕された
「実行役は今後、低年齢化が進む可能性もあります。実際に中学生が逮捕されるケースも報告されています。情報モラルを持った子たちであっても、闇バイトに加担してしまう現実があるのです」(佐々木氏) 埼玉県春日部市の高齢女性からキャッシュカードを騙し取ろうとして、12月16日、千葉県柏市の中学3年の男子生徒が逮捕されている。男子生徒は容疑を認め、「クリスマスに遊ぶ金が必要だった」などと供述しているという。 おカネは欲しくても、中学生であれはアルバイトをすることはできない。そのため「子どもでも応募できる高額報酬のアルバイト」という文言に引き寄せられ、応募してしまう可能性もあるという。 「コロナ禍でスマートフォンやタブレット端末を使う機会が増えたことも一因です。最近ではSNSを通して被害に遭い、犯罪に巻き込まれる中高生が増えています。 グレーな仕事であっても、募集要項に書かれている内容を鵜呑みにしてしまう子どもたちは少なくありません。中高生でもできてお金がもらえるアルバイトと信じ、知らないうちに犯罪の片棒を担がされてしまう」(前出・佐々木氏) おまけに指示役が「未成年なら大丈夫」「罪に問われない」などと吹き込み、それを信じ込んで犯罪に加担する子どもたちも出てくるだろう。佐々木氏が続ける。 「おカネどのような仕組みで生まれるのを学ぶ機会、おカネの教育が必要だと感じます。1日5万円、1回5万円の給与をもらえる仕事はどういうものなのか。そうした知識を教えることが重要ではないでしょうか」 1回で5万円も10万円の報酬が得られる仕事がないわけではない。しかし、それらの仕事には特殊な技術や経験が求められていることが多く、専門性の高い内容になる。働き手の生産性がしっかりしていたり、仕事内容に見合うからこそ企業は報酬を支払う。 スキルや経験が無いにもかかわらず、高額な金額を提示されるのは何らかの裏があると考えるのが自然だ。 しかし、手を変え品を変え、なんとかして実行役を集めようとする「闇バイト」グループ。その巧妙な手口には、大手アルバイト情報サイトなども対応には苦慮している。 後編記事『「情報弱者が狙われる!」高額報酬を鵜呑みにする若者と苦慮する「アルバイトサイト」…闇バイトを巡る“終わらない戦い”』では、最新の実態について、さらに詳報します。
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