「中学生も逮捕…!」普通の仕事より「ラクして稼ぎたい」…短絡的な思考につけ込む闇バイトの”魔の手”
自ら進んで応募するばかりか、SNSなどで募集のあった求人に応募したところ、強盗や特殊詐欺といった犯罪の実行役をさせられた、というケースが後を絶たない。若者たちはなぜ「闇バイト」に手を染めるのだろうか。最近では夫婦やママ友、中学生までもが犯罪に加担している。その背景について専門家に聞いた。 【マンガ】追いつめられた女性が「メンズエステ」の世界で味わった「壮絶体験」
夫婦、ママ友でも闇バイトに応募
高額報酬という文言につられ、一般人が犯罪行為に加担する『闇バイト』関連の事件が後を絶たない。 強盗や特殊詐欺などのほか、北海道の川ではサケ29匹を密漁したとして、4人が逮捕・起訴される事件も発生した。さらに12月5日には、詐欺グループのリクルーター役だった「ママ友」2人も逮捕されている。 「逮捕されたのは小浦優容疑者(32歳)と黒田裕香容疑者(31歳)です。小浦容疑者が先に闇バイトに応募し、商品を騙し取る“買い子”役を集めるリクルーターになりました。その後、ママ友の黒田容疑者を誘った、と供述しています」(全国紙社会部記者) 2人は同じ保育園に子どもを通わせるママ友だった。 「小浦容疑者は『ホストクラブやギャンブルで借金を重ねていた』と供述、黒田容疑者は『生活費が欲しかった』などと述べており、2人とも容疑を認めています」(前出の全国紙社会部記者、以下「」も) 東京・足立区では闇バイトで小さな子どもを持つ夫婦が逮捕されたことも報じられた。闇バイトの逮捕者は若者たちが多いが、30代、40代の主婦や会社員も一定数いるという。
闇バイトの方が“ラク”という感覚
犯罪のリスクを知りながら闇バイトに応募する理由は、「手っ取り早く、ラクして稼ぎたい」という心理が大きいとされる。元警視庁刑事の吉川祐二氏は次のように説明する。 「お金が欲しくてたまらないけど、ラクをしたい人々は、危険な仕事だとわかっていてもやってしまう。“ホワイト案件”などと表現されているアルバイト募集でも、“叩き(強盗)”など、事件性のある仕事だと薄々感じていると思いますよ。汗水流して働くのではなく、むしろ闇バイトの方が『ラクして稼げる』という意識を持ってしまった人です」 それは「今すぐにでもまとまった金額が欲しい」という思いが強いからだ。 「中には税金の支払いや生活苦のために闇バイトに応募する人もいるでしょう。ただ、現在は安易にクレジットカードを作れるようになり、ギャンブルも多様化して借金を抱えている若者も増えています。 闇バイトは女性の加害者が多くいるのも特徴です。化粧品、洋服、整形……ホストなどのツケを払うこともある。そうなるとおカネが欲しい。 今の若者の方がより切羽詰まっている印象を受けます。借金もですが、強奪する金額も大きくなっているように思うんです」(吉川氏) 「SNSの存在も大きいと」と話すのは、ネット犯罪に詳しい元埼玉県警の佐々木成三氏。 SNSを見れば他人の生活が流れてくる。いい服を着たり、高級なレストランで食事をしたり、高い車に乗っていたり……。贅沢な生活を送る人々の日常を垣間見ることで羨望を抱く。