長野選挙区、元キャスター杉尾氏が当選 野党共闘「長野モデル」の成果強調
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前回の定数2から定数1になり事実上、自民・民進の一騎打ちとなった参院・長野選挙区は、民進党新人の元TBSニュースキャスター、杉尾秀哉氏(58)が自民党現職の若林健太氏(52)と諸派新人の及川幸久氏(56)を破って初当選しました。共産党と社民党の推薦を受けた杉尾氏は「政党、労働団体と市民グループが連携した長野モデルが(困難を)乗り越える力になった」と幅広い運動の成果を強調しました。
杉尾氏陣営はJR長野駅前のホテル会議室に支持者ら約300人が集まって開票報告会を開催。5台のテレビを並べ、開票速報を見守るなか午後9時過ぎに杉尾氏の当選確実が報じられました。会場は総立ちになり歓声の渦。やがて会場に現れた杉尾氏はもみくちゃになりながら壇上へ。時に言葉を詰まらせながら「死力を尽くした闘いだった」と語り、支持者らは「よく頑張った」と拍手を送っていました。 会場に駆け付けた長野県選出の参議院議員、羽田雄一郎氏(民進党)は、「自公政権に勝つには野党が一つにならなければ勝てないぞということを市民が示した。安保法案を見ても、(自公政権は)勝てばなんでもやってしまう。こんなことを長野県民は許さないんだという思いを受けて闘ってきた。しっかりと杉尾秀哉を応援していきたい」とあいさつ。 これまで参議院議員の現職で今回参院選に出馬せず杉尾氏を後継者とすることになった北沢俊美・民進党長野県連代表(元防衛相)は「新しい時代が開かれる。安保法制に賛成していた人が長野県の代表ではなくなったのだ。安保法制に断固反対していく人が新しい参議院議員になったのです」と安保法制への取り組みを呼び掛けていました。 杉尾氏は「労働団体、政党、市民グループが総力を挙げて結集した。その県民の勝利だ。野党共闘が早くできて市民グループとの連携がうまくいった長野モデルだ」と強調。「野党共闘の柱は安保法制への反対であり、憲法9条の平和主義を壊すような憲法改正は認められないということだった」と安保、憲法の訴えが主要なテーマだったと指摘しました。 また、「アベノミクスは地方に届いていない。格差の解消をし、強者の政治から弱者のための政治に変えるよう訴えてきた。年金、子育て、教育など生活に密着した問題も訴えてきた。それが結果としてよかったと思う。富の再配分、所得の再分配などについて他の野党と協力して具体的な政策にしたい。超少子高齢化の克服策も具体的な法律として出していきたい」と訴えました。