プレミアの“顔”三笘薫が背負う期待と懸念。日本代表で躍動も、ブライトンで見え始めた小さくない障壁
「攻撃陣の責任」。三笘のプレーに見た懸念
三笘は順調にスタートした一方で、ここまでの戦いから懸念も見えた。 9月14日に行われたプレミアリーグ第4節のイプスウィッチ戦で、三笘は4-2-3-1の左MFとして4試合連続で先発した。試合は、ブライトンが終始優位に押し進めた。68.4%のボールポゼッションを記録し、シュート数でも21対6で敵を圧倒していた中で、三笘にはゴールやアシストの結果が求められた。しかしベストパフォーマンスを見せられず、ブライトンは今シーズン昇格したばかりのイプスウィッチに0-0で引き分けた。 三笘は前半の決定的なチャンスでシュートを決めきれず、後半には珍しくパスをミスする場面も。味方とタイミングがあえばアシストになりそうな場面はあったものの、いつもより馬力や推進力、判断力の点でパフォーマンスが落ちているように映った。試合後、27歳のアタッカーは反省の言葉を口にした。 「勝てるチャンスがあったのでもったいない。チャンスを決めていたら流れをもってこれたので、攻撃陣の責任だと思います」
2週間で4試合、温度差が20度以上の過酷な長距離移動
今回のイプスウィッチ戦の前に、三笘はFIFAワールドカップ・アジア最終予選を戦う日本代表として2試合に出場。中国戦では1ゴール・1アシスト、バーレーン戦でも1アシストと、3-4-2-1の左ウイングバックとして出場した三笘は、日本の連勝スタートに大きく貢献した。 だが今一度、日程を確認すると、厳しいスケジュールが浮き彫りになる。8月31日のアーセナル戦を終えたその日に機上の人となり、9月5日に東京で中国戦、10日には敵地でバーレーン戦をこなした。そして中東のバーレーンからイギリスにとんぼ返りし、14日にイプスウィッチ戦に出場。約2週間で4試合を消化したことになる。 今回の代表参加には、イギリス→日本→バーレーン→イギリスと複数回の長距離移動も必要だった。さらにキックオフ時における各地の気温を確認すると、東京27度、バーレーン37度、ブライトン16度と、温度差が20度以上もあった。体への負担は大きかったのは想像に難くない。 三笘本人は過密日程と長距離移動について「どの代表選手もやっていること。僕だけじゃないですし、 そこはまったく言い訳にならない」と語ったが、代表ウィーク後のイプスウィッチ戦に少なからず影響を及ぼしたことは否定できないように思う。