「重い病気」に強い製薬会社バーテックス・ファーマの素顔
欧米の重篤な疾患に対する治療薬に強く、現在の主力は嚢胞性線維症の治療薬「トリカフタ」(写真:ブルームバーグ)
アメリカ市場に上場している注目銘柄を取り上げる連載企画「はじめての米国株」。今回は製薬会社、バーテックス・ファーマシューティカルズ(VRTX)を紹介する。(最新の ドル円相場はこちら です)バーテックス・ファーマシューティカルズは、重篤な疾患に対する治療薬を開発している。現在の売り上げは、嚢胞性線維症の治療薬「トリカフタ」が約9割を占める。トリカフタは今後も売り上げ増加が期待できるうえ、開発中の別の薬のパイプラインにも期待が持てる品目が複数あり、注目が高まっている。 バーテックスは1989年に感染症や炎症、自己免疫疾患、がんをコア領域とした創薬企業として設立された。「患者数は少ないが発症すると重篤な疾患に対する医薬品を創出する」というビジョンを掲げ、遺伝性疾患などの開発に取り組んでいる。 売上構成比では、2019年にアメリカで承認された嚢胞性線維症の治療薬「トリカフタ」が約9割となっている。嚢胞性線維症とは、肺などの呼吸器や消化器で分泌される体液の粘り気が強くなる遺伝性の疾患。各種臓器で体液が詰まりやすくなり、肺炎や腸閉塞など様々な症状を引き起こす原因となる。肺がダメージを受け、呼吸不全で死に至るリスクも大きい重篤な疾患といえる。
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大和証券 米国株執筆班