生成AIで「ユニコーンの角」の触わり心地を体験 言葉と触感を組み合わせ
「洗濯したてのタオル」など、言葉からその触感を生成するAIシステムが開発された。また、触感を表すオノマトペから、その触り心地を指に伝えることもできる。手で感じる新しいデジタルメディアの誕生だ。 電通グループの研究開発組織Dentsu Lab Tokyo(デンツウラボトウキョー)は、あらゆる言葉から触り心地を生成するAIシステム「FANTOUCHIE」を開発した。ユーザーが言葉を入力すると、そこから連想される触り心地を生成してフィードバックするというもので、「ユニコーンの角」のようなこの世にないものでも、その触り心地をオノマトペや振動で伝えることができる。 仕組みはこうだ。まず、ピエゾセンサーを装着した指でさまざまな素材を触り、そのときの音を収集する。そのデータを触感を表すオノマトペに紐付けし、電気通信大学発ベンチャー企業、感性AIが開発したイメージ分析ツールで評価、数値化を行う。ユーザーが言葉を入力すると、大規模言語モデルがそれを分析して触り心地のオノマトペに分解し、触り心地を振動スピーカーから出力する。 その活用範囲は広い。Dentsu Lab Tokyoは、ゲーム、小説、音楽などに触感を加えて没入体験を高めるほか、「保有IPの新たな知的財産の価値創出」、「イベントでの製品世界観の体感的訴求」などを想定している。
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