2人の絆を深める、決定の簡単なルール「2人ならイエス、1人だけならノー」
決断を小分けにする。票決ではなく、チームの決断にする
次にパートナーといっしょに決断を下すことになったとき、事の大小を問わず、「2人ならイエス、1人だけならノー」のルールを効果的に活用する方法を、以下に紹介しよう。 ・いっしょに話し合う時間を毎週とるようにする 毎週決まった時間に、現状の選択肢や、生活に起こり得る変化について話し合おう。例えば、もしあなたが新しい街への引っ越しを考えているなら、決断の期限が迫るまで待つのではなく、毎週その話をしよう。これにより、性急な決断を避け、情報を共有できる。 ・沈黙の力を味方につける パートナーと意見が一致しない時は、すぐに解決したいという衝動を抑えよう。例えば、もしあなたのパートナーが、あなたの憧れの目的地でのバケーションに「ノー」と言ったなら、説得して考えを変えさせるのではなく、一度立ち止まろう。相手に時間をとってもらい、内省し、なぜそう感じるのかを振り返ってもらおう。沈黙を尊ぶことにより、双方が相手に共感し、より思慮深い決断を下すことができる。 ・臨機応変に対話する 決断に迷いがあるときは、質問を言い換えてみよう。例えば、もしあなたのパートナーが費用面から週末の旅行をためらっているのであれば、無理に背中を押すのではなく、こう尋ねてみよう。「これがどんな旅だったら、あなたにとって価値あるものになるのかな?」このような切り替えにより、抵抗をコラボレーションへと変え、どんな調整と妥協があれば決断が納得のいくものになるかを、双方が探求できるようになる。 ・決断を小分けにする 時には、決断があまりに大きく重いものに感じられるせいで、意見が一致しないこともある。例えば、あなたは新車を買いたいと思っていて、パートナーは費用負担の大きさに尻込みしているとしよう。こんな時は決断を、より小さく扱いやすい、複数の質問に分けて考えよう。「今の車の状態をどう思う?」とか、「新車を買うとしたら、どうすれば費用を捻出できるかな?」といったものだ。このようなステップバイステップのアプローチにより、プロセスの負担を軽くして、合意形成しやすいものに変えることができる。 ・票決ではなく、チームの決断にする 意思決定のプロセスを、チームプロジェクトとして捉えよう。パートナーがいっしょに解決に向けて積極的に協力しあうプロジェクトだ。例えば、家族で過ごす休暇の計画を立てる時には、単に多数決で目的地を決めるのではなく、一つ一つの選択肢の長所と短所を検討し、それぞれの好みを尊重しよう。これにより、「勝者」と「敗者」という枠組みを消し去り、競争ではなく協働に力を入れることができる。 真の意味でバランスがとれた結婚生活においては、2人がどちらも自信をもって自己主張できる。なぜならそれは、自分の意見や感情が尊重されている、と知っているからだ。「2人ならイエス、1人だけならノー」のルールは、協働的な決断を促す、シンプルだが強力な方法であり、2人の絆を長きにわたって強めてくれるだろう。
Mark Travers