東京ガスが掲げている“3本の柱”とは?常務執行役員CDOが言及「難しい環境のなかでもエネルギーの安定供給と脱炭素化の両立の実現が不可欠」
笹川友里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「DIGITAL VORN Future Pix」(毎週土曜 20:00~20:30)。この番組では、デジタルシーンのフロントランナーをゲストに迎え、私たちを待ち受ける未来の社会について話を伺っていきます。10月5日(土)の放送は、東京ガス株式会社 常務執行役員 CDOの菅沢伸浩(すげさわ・のぶひろ)さんをゲストに迎えて、お届けしました。
菅沢さんは、慶應義塾大学大学院 理工学研究科 修士課程終了後、1991年に東京ガス株式会社に入社。その後、東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社 事業企画部長などを経て、2019年に執行役員 電力本部 電力事業部長に就任。2023年に常務執行役員 CDOに就任しました。
◆東京ガスの“デジタル事情”
まずは菅沢さんに東京ガスの事業内容を伺うと「我々はガスの原料、液化天然ガス(LNG)を海外から調達し、それを各家庭や企業などに都市ガスとしてお届けしています。また、天然ガスを燃料とした火力発電所で電気を作ったり、最近では環境への意識が高まっているので、太陽光や風力などのいわゆる“再生可能エネルギー”もあわせて提供させていただいております」と言及。このほかにも、国内では不動産業も手がけていたり、海外でも一部地域のエネルギー周りの事業を展開しています。 ちなみに、現在の社員数はグループ全体をあわせると約1万5,000人になるそうで、展開する事業もLNG受入基地の操業やガスの生成、パイプラインを使っての供給・販売、お客さまサービスなど多種多様です。 続いて、東京ガスのサービスやデータの“デジタル化”がどこまで進んでいるのかを尋ねると、「“もっと進めていけるようにしたい”というのが本音ですね」と菅沼さん。脱炭素化やデジタル技術の動きが激しい状況のなかで、社会全体がもっと上向きになり、お客さまの生活の質も上がることによって、東京ガス自体の価値も高めていきたいとし、「単純にエネルギーやサービスを提供するだけでなく、我々がお客さまにとって、社会にとって役立つようなビジネスをするためにも“自ら変えていく”ということもやらなければいけないと思っています」と言います。 また、東京ガスは2年前に中期経営計画を策定し、そのなかで“3本の柱”を掲げています。 <東京ガスが掲げる“3つの柱”> 1.エネルギーの安定供給と脱炭素化の両立 2.ソリューションの本格展開 3.変化に強いしなやかな企業体質の実現 菅沢さんは、この3つの柱すべてにデジタル化が深く関わってくるとし、「例えば、『エネルギー安定供給と脱炭素化の両立』でいえば、CO2を排出しないためにも再生可能エネルギーを取り入れていかないといけませんが、お客さまに安定供給をしなければならないなかで(再生可能エネルギーでは)天候次第で発電量が変動してしまうという現実があります。そのためにも、再生可能エネルギーの発電量を精度良く予測する必要があるので、データ化とデジタル化が必要不可欠だと思っています」と言及。 また、日本のインフラ事業は世界と比べるとクオリティは高いものの、近年は異常気象に加えて頻発する自然災害によるインフラの機能停止が起こっているだけに、「今まで以上に難しい環境のなかでもエネルギーの安定供給と脱炭素化の両立を実現させなければいけないので、我々としても今後も(ビジネスの)変化に対応していきながら安定供給もしっかりやっていきたいと思います」と力を込めます。