朝に水で湯船を張ると帰宅後には「熱いお風呂」が完成しているらしいです。水道代はお得になっているのでしょうか?
忙しい毎日の中で、出掛ける前に浴槽にためた水が帰宅時には温かいお湯になっていたらいいのに……と考えたことはないでしょうか。仕事終わりなどで帰宅後すぐに温かいお風呂に入れるのは大きな魅力でしょう。 この記事では、帰宅時間に合わせてお風呂を沸かす方法や水道光熱費節約について考察をします。 ▼「シャワーだけ」vs「お湯をためる」1人暮らしはどっちがお得? それぞれの水道代・ガス代を比較
帰宅時間に合わせてお風呂を沸かす方法
帰宅後すぐにお風呂に入りたい場合は、外出先からスマホで遠隔操作をする方法がおすすめです。お使いの給湯器・リモコンが遠隔操作対応の製品であれば、リモコンとスマホをご自宅の無線LANルーターに接続することで設定が完了します。あとは専用アプリを使って操作します。 例えば、とある給湯機器メーカーでは、専用アプリから追いだきや給湯、浴室暖房などの操作ができます。また、自動浴槽洗浄システムに対応していれば、風呂掃除からお湯張りまで、スマホ1つで完了します。 その他の方法としては、給湯器の「予約機能」があります。便利な機能ですが、使う習慣がない人は意外と多いかもしれません。ただ、一度外出してしまうと予約時間を変更できないので、予定通りに帰宅できる場合のみ有効です。 では、水を張った状態で追いだきするのと、新しくお湯を張るのでは、どちらがより節約になるのでしょうか?
「追いだき」と「新規のお湯張り」ではどちらがお得?
水を浴槽にためた後に追いだきをする場合と、新たにお湯張りをする場合では、水道代とガス代はどちらがお得になるのか比較します。この比較には、中部電力ミライズ株式会社が提供するWebサービス「カテエネ」のシミュレーション結果を参考にします。 なお、シミュレーションの条件は下記の通りです。 ・上昇温度:20度(20度を40度にする場合) ・水量:200リットル ・熱効率:80% ・発熱量:1万750キロカロリー/立方メートル ・都市ガス基準単位料金:156.29円 ・1リットルあたりの水道代:0.24円 表1
出典:中部電力ミライズ株式会社 カテエネ「追い焚きでかかるガス代はいくら?入れ替え・足し湯・差し湯との徹底比較も!」を基に筆者作成 新たにお湯張りをした場合、水道代は48円、ガス代は72.7円で、合計120.7円となるようです。一方、浴槽に水をためて追いだきする場合、使用する水の量はお湯張りと同じため、水道代は同じく48円です。ガス代は水温を20度から40度に上げるケースで試算すると、こちらも72.7円となり、合計は新規のお湯張りと同じ120.7円です。 つまり、水を浴槽にためた後に追いだきで20度から40度に上げる場合、水道代とガス代は、新たにお湯張りする場合と変わりません。ただし、ガス代は水の温度によって変わります。外気温が低いと水道水の温度も下がり、その分お湯を沸かすために必要なガスの量が増えるため、ガス代が高くなる可能性があります。 水道水の水温については、東京都水道局が提供する令和2年度のデータを表2にまとめましたので、参考にしてください。 表2