児童精神科の看護師【こど看さん】に訊く、子どもの心の守り方。お=おびやかさない、す=すぐに助言しないなど、9つのポイント「おすしさいこうかよ」とは?
子どもに自信を持たせるなら、「自信を失わせない」関わりを
X(Twitter)やYouTubeを通して子どもとの関わり方について発信をしている「こど看」さん。2023年11月発刊の著書『児童精神科の看護師が伝える 子どもの傷つきやすいこころの守りかた』では、精神科認定看護師として、心の傷や行動の問題を抱えた子どもたちと関わる中で実践している方法を紹介しています。 子どもの心の健康を守り、安心して毎日を過ごすために親ができることとは、どんなことなのでしょうか。 ――最近は子育てにおいて「自己肯定感を高める」ということが重要視されていますね。子どもの自己肯定感を高めるために、親は子どもにどのように関わっていくのがよいのでしょうか。 こど看さん:本にも書いていますが、子どもに「自信を持たせよう」というアグレッシブな関わり方より、「自信を失わせないようにする」というやわらかな関わりの方が、結果として子どもの自信につながると考えています。最近は小学生でもスマホを当たり前のように持つようになり、情報があふれている中で、子どもたちの理想像が高くなっているように感じます。インフルエンサーのようなきらびやかな人を見ていると「自分なんて・・・」と比較してしまうんでしょうね。だから、大人から「君ならできる!」とか「自信を持って」と励まされても、素直に受け取れないんだと思います。 また、自己肯定感が高くなりすぎて、ちょっとしたミスをしたときに、そんな自分が認められずにイライラしたり、情動的な行動に出てしまう子もいます。失敗したときに、「自分はそれでも大丈夫」と思えないんですよね。そういう子は、学校でもテストやドリルの間違った箇所にバツ印を書かれると爆発してしまうこともあったりします。 そんなとき、大人はつい子ども怒らせないように(例えばバツ印をつけるのをやめるなど)しがちなのですが、それよりも子どもの激しい気持ちを「わかった、わかった」と共感しつつおさめながら、その子自身が自分の失敗や嫌な部分に向き合う機会を作ることが大切かなと。高い目標があっても、それを子ども自身で下方修正しながら積み重ねていくという経験が成長につながるのだと思います。 親が外側から「君はこうだから」「君はここがすごいから」と言うのは、本当にエッセンス的に、ポイントで伝えるくらいで充分です。