クアルコム、自動車産業における「自動化」でリーダーに躍進
数々の技術的優位性を持つクアルコム
クアルコムは、低消費電力のAI向けに設計されたSoC(System on Chip)を活用し、ADASに必要な計算能力やコックピットのインフォテインメントに必要なグラフィックス処理において競合他社を圧倒し凌駕し、リーダーとしての地位を築いている。クアルコムはそのSnapdragon Ride Flex SoCを「自動車向けスーパーコンピュータ級SoC」と称している。 また、クアルコムのSnapdragon Digital Chassisは、ADAS、インフォテインメント、テレマティクス、コネクティビティ、車両とクラウドを結ぶサービスを単一のプラットフォームに統合する、総合的なワンストップソリューションを提供している。この包括的なモジュール式プラットフォームは、自動車メーカーに多様な技術を一元化して提供するものだ。クアルコムのコネクティビティソリューションは、5G、LTE、Wi-Fi、Bluetoothの統合において競合他社を上回っている。 さらに、クアルコムは柔軟な対応も可能だ。自動車メーカーは、Snapdragon上でどのワークロードを実行するかを選択できる。たとえば、ADASにエヌビディアを、インフォテインメントやコネクティビティにクアルコムを利用することができる。 クアルコムは、将来的には、機能別コントローラーを複数持つアーキテクチャから、より中央集約型の計算機能に進化することで、遅延を減らし、コストを削減できると見込んでいる。 ■結論 クアルコムの最新四半期における自動車関連売上は8億1100万ドル(約1020億5000万円)で、前年同期比87%の成長を記録している。エッジAIは、クアルコムの重要な武器となっており、エヌビディアの自動車事業を大きく上回っている。多くのアナリストは、自動車市場が2030年までに1000億ドル(約14兆8300億円)を超えると予想しており、この市場は非常に重要なものだ。クアルコムは計算処理、グラフィックス、通信技術をバランスよく提供しており、市場のニーズに応える最適な技術を持っていると言える。 今月開催されるSnapdragon Summitで、クアルコムの自動車戦略や今後のロードマップについてさらに知ることを楽しみにしている。続報に期待してほしい。
Karl Freund