【F1】2秒差逃げ切り!フェルスタッペンが逆転V「序盤が全てだった」思い出の地スペインで今季7勝目
F1 第10戦 スペインGP 決勝 23日 カタルーニャサーキット(4・657キロ×66周) ペン=尾張正博、ルイス・バスコンセロス レッドブルのマックス・フェルスタッペン(26)=オランダ=が2番グリッドからの逆転で、当地3年連続勝利を飾った。今季7勝目(通算61勝目)にも“包囲網”は着実に狭まっており、「簡単なレースではなかった。チーム全体としてパフォーマンスを最大化できた」と総力戦を強調した。最後まで追い詰めたマクラーレンのランド・ノリス(24)=英国=が2戦連続2位。メルセデスのルイス・ハミルトン(39)=同=が3位に入り、今季初めて表彰台に上った。 8年前にキャリア初勝利を挙げた思い出のスペインGPで、フェルスタッペンが3年連続勝利。「チームとして全てをうまくやった。最後までかなり接戦だったけど、勝ててうれしいよ」と静かに喜んだ。 スタートでポールのノリスをかわすと、その間に先行を許したメルセデスのジョージ・ラッセルを3周目にパスして首位に浮上。「序盤が全てだった。トップに立ってからは少し余裕ができて、後はタイヤを管理しながら走るだけだったね」。2度のタイヤ交換も無難に済ませ、最後はノリスに約2秒差まで詰め寄られながらも逃げ切った。 22戦19勝でシリーズ3連覇を果たした昨季に続き、今季も10戦7勝。ランキング首位を独走する形は変わらないが、ライバルたちの足音は迫ってきている。今大会も最終盤にチーム無線で「ノリスが追ってくるから飛ばせ」と指示され、最後まで気を抜けなかった。
「マクラーレンは本当に良い仕事をしている。僕たちは絶対的なペースを欠いていたし、プッシュしなきゃいけないときにはランドほどタイヤをケアできなかった。きょうは全てうまくいったけど、厳しい状況。詳細を調べて、もっと改善していかないといけない」 圧倒的なクルマの戦闘力に支えられた絶対的な優位性こそ崩れたものの、チームの総合力や勝ちぐせ、ドライバーの力量や経験値を駆使して勝利は譲らない。「週末の結果(勝敗)を決定付けるのは、本当にわずかな差なんだ」。フェルスタッペン包囲網の狭まりを肌で感じながらも、ライバルたちの挑戦をしぶとくはねのけていく。
中日スポーツ