「SHOGUN 将軍」日本人プロデューサーが求めた「正しい選択」 歴史的快挙の裏側&シーズン2の展望【インタビュー】
「GOサインを出したFXの方たちを虎永に例えれば、風を読み、時を待って(作品を)仕掛ける(人たち)。ストリーミングがコロナ禍で一気に浸透して、世界中の視聴傾向が民主化し、面白いものがあれば観るようになりました。字幕への抵抗感もなくなったので、『パラサイト 半地下の家族』『イカゲーム』といった(非英語圏の作品も)面白ければチャンスがあることを知りました。日本文化も(アメリカに)かなり浸透しています。そういった、いろいろな織り重なった結果です」
「また、ジャスティン・マークス(企画・製作総指揮)が素晴らしいですよね。本当に才能のある脚本家兼ショーランナーで、 (「SHOGUN 将軍」と)相性がよかったことが考えられます。自分の文化ではない、自分の言葉ではないこのチャレンジを、こんなにもしっかりとコントロールしながら、明快なビジョンを持ちながら、自分がわからないことをしっかり聞き入れて受け止めて、好奇心を持ってストーリーに取り入れていく姿勢が、作品のよさにつながったと思います」
日本描写の変化を後押し
前述したように、本作で真田を筆頭とするキャスト&スタッフが求めたのはオーセンティックな時代劇。日本文化・作法の描写に違和感がないよう、日本から各部門のプロフェッショナルを招聘し、綿密な時代考証が行われた。 「何がこの作品にとって正しいのか。どういう作品が観客に広く受け入れられ、違和感なく楽しんでいただけるのか。このことを常に意識していました」と宮川は語る。「真田さんは数多くの時代劇に出演してきて、豊富な知識と経験値を兼ね備えています。時には、白黒はっきりしないこともたくさんありました。『歴史の先生はこう言っているけど、これをするとお客様がわからなくなる』『大河ドラマでは、ここはこんな風にやっていた』『アメリカの感性はこうだ』といったことを加味して、『SHOGUN 将軍』にとって一番正しい選択は何なのかを、こと細かく話し合いながら固めていきました」