【衆院選2024】候補者の演説をスマホで撮影してYouTubeに上げたら違法?!SNSのシェアは?ケース別に解説
第50回衆議院議員選挙が10月15日にスタートし、全国各地で論戦が繰り広げられています。 候補者がそれぞれYouTubeなどの動画配信サイトに演説動画を載せたり、一般の人が自分のアカウントで街頭演説の様子を配信したりするなど、ネット上で「選挙動画」を見る機会も増えました。 選挙ドットコムでも、YouTubeちゃんねる「選挙ドットコムちゃんねる」で、各候補者の動きを追っています。 ところで、一般の人が候補者の演説を個人で撮影して、YouTubeにアップした場合、なんらかの法律に触れてしまうのでしょうか? その演説動画を、個人のSNSでシェアしたらどうなるのでしょう?
ケース1:候補者の演説を個人のスマホで撮影、その動画をそのままYouTubeにアップしてみた。これって著作権法違反?肖像権の侵害?
政治家の演説動画は、公開して行われたものでその内容が政治上の演説である場合には、著作権法40条1項により無制限に使用することができます。もっともその出所を明示する義務はあります(著作権法48条1項2号)。 つまり、衆院選の候補者が公開の場で政治上の演説している様子を個人で撮影し、その動画を動画サイトにアップしても、著作権法違反にはなりません。 一方で、候補者の演説であっても公開の場で行われたものではない場合や政治上の演説ではない場合はその動画を撮影して動画サイトにアップすると著作権法違反となる場合があります。もっとも、このような演説であっても、公表された著作物は一定の条件のもとで批評等の目的のために正当な範囲内で引用することはできます(著作権法32条1項)。 また、候補者が演説以外の日常生活で買い物をしている様子や、一般の人と話している場面などを勝手に撮影・公開してしまうと、肖像権やプライバシー権の侵害となる場合がありますの注意しましょう。
ケース2:YouTubeに上げられている動画を引用して、個人のブログに候補者を批判する記事を書いた。これって著作権法違反?名誉毀損?
この場合は、ケース1の候補者の演説の利用の問題だけでなく、動画の著作権の問題も生じます。そのため、動画の著作者の許諾なく動画を複製したりすると、著作権法違反となる場合があります。 また、引用した動画が第三者の著作権を侵害するなど違法なものの場合、それを引用しただけでも名誉毀損や著作権法違反など罪に問われる場合があります。引用しようとしている動画が適切な方法で撮影されたものかを確認しましょう。 また、動画自体が適切なものでも、ブログで誹謗中傷などをする文章を添えると、その行為も名誉毀損などとなる場合があります。