町田に起こった「劇的な変化」 設備充実も…日本プロ野球トップは「桁違いの凄さ」【インタビュー】
データの活用でサッカー界にも変化
一方で、サッカー界でもデータの活用は進んでいる。「GPSで試合のスプリント数やトップスピードなど、さまざまな記録が翌日には出され、課題として洗い出されます。それを専門家たちが分析、アドバイスしてくれます。自分にとって何が必要なトレーニングなのかを考えて実施できる環境がありますし、ミーティングでもその部分を落とし込んでくれます。ものすごい分かりやすくなりましたよね」と、デジタルを活用した選手側のメリットを教えてくれた。 「だからもう、選手はサボれないですよね(苦笑)。全部数字で出てしまうから。僕自身も選手時代、取り組み方がめちゃくちゃ変わりました。当初は試合映像をレーザーポインターで当てながら監督が相手選手の特徴を解説したり、紙でそのポイントが配られたりしましたが、今だったら『前半開始から何分まで得点数が多い』『サイドからの得点率が何%だ』みたいにすごく細かくなりました」 また太田氏によると、「分析コーチは1人、2人のクラブが多い中で、町田には4人ほどいる」という。「例えばポジションごとのコーチが生まれたり、セットプレーの専属のコーチがいたり……。今後もより専門的になってチームが作られていくのではないでしょうか」と、こういったデータ活用の流れもサッカー界でさらに加速していくことを予想していた。 [プロフィール] 太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っている。
FOOTBALL ZONE編集部・金子拳也 / Kenya Kaneko